『スノーピアサー シーズン3』(全10話/Netflix)🤨

Snowpiercer
各話44〜53分 全10話計473分 2021年 アメリカ=Netflix 16+

シーズン1から快調に飛ばしてきたスノーピアサーとビッグアリスも、シーズン2半ばからスピードが鈍ってきて、このシーズン3ではしょっちゅう途中停車しているような印象を受ける。
とくに前半、レイトン(ダヴィート・ディグス)が昏睡状態で見る悪夢、生死不明となったメラニー(ジェニファー・コネリー)が幻として出てくる場面がダラダラと続いて、まどろっこしくてしょうがない。

また、全10話を引っ張るためかどうか、登場人物同士の愛憎を描いたくだりがやたらと多い。
おかげで、本作の最大の魅力である、氷の惑星と化した地球を1000両の超特急が延々と走り続けるという設定の持つロマンチシズムとダイナミズムが損なわれている。

後半は温暖化している〝ホットスポット〟で列車を降りようと訴えるレイトンと、安全性に疑問を抱いた反対派が衝突し、スノーピアサーで「戦争」(という言葉が使われているが実質的には内ゲバ)勃発寸前の事態が発生。
このあたりも、シナリオライターが目先の意外な展開を優先するあまり、それまで利口に見えていたレイトンがやることなすこと行き当たりばったりになり、しまいにはアホみたいに感じられてしまう。

ラストは続きがあることを仄めかしたエンディングになっているが、一度はこのシーズン3で完結すると発表された。
ところが、その後ファイナルシーズンのシーズン4が制作され、昨年11月から何故かNetflixではなくHuluが独占配信している。

観てみたいけど、いますぐ、Huluにもカネを払ってでも、という気にはならないなぁ。
シーズン4がネトフリでも配信されるのを待ちたい。

オススメ度C。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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