このシリーズには珍しく、霧の中で煙草をくゆらせていた北大路小五郎が地下のバーに立ち寄り、「美女」白都真理と巡り合う、というフィルムノワール的なオープニングから始まる。
白都は初の主演映画を撮っている最中、スタジオが突然停電し、暗闇の中で結婚を迫っていた男が刺し殺され、北大路小五郎の出番となる。
昭和世代のファンにとって面白いのは、白都の母親で車椅子にサングラス姿の吉行和子、殺された男の父親で闇社会の大物・宍戸錠の怪演合戦。
興味の焦点は乱歩の原作のタイトルにある通り、警察がいくら探しても発見できなかった「兇器」にあるはずなのに、吉行・宍戸のおどろおどろしい演技を観ているうちにどうでもよくなってしまう。
対する北大路はいつもながら、あまりに生真面目で面白味に欠ける。
このシリーズにはやはり、大人の色気と遊び心を感じさせる天知茂がピッタリだったなあ、と改めて感じました。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑