『黒蜥蜴』(WOWOW)😉

86分 1968年 松竹

原作小説・江戸川乱歩、戯曲化・三島由紀夫、監督・深作欣二、そして主役の黒蜥蜴に丸山(美輪)明宏。
その黒蜥蜴と対決する明智小五郎が新劇の名優・木村功、黒蜥蜴の奴隷となる青年に川津祐介という大島渚や鈴木清順の作品で異彩を放った役者。

かくも豪華でスケールが大きく、禍々しくも一種独特な淫靡さを漂わせる顔合わせ、邦画史上にもほとんど類例がない。
三島自身も〝人間剥製〟、つまり死体として登場し、丸山にキスをされたり、のちの水戸黄門、西村晃が手首を切り落とされて絶叫したり、いま観ると思わずのけぞってしまう、というか笑ってしまう場面も満載です。

まっとうなミステリ映画としてはどうかと思う部分も少なくないが、そういう完成度を問うような作品ではないので不問に付す。
ぼくと同世代で、まだ見ていない映画ファンは必見ですが、諸事情によりビデオソフト化されていないのがまことに残念。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

旧サイト:2014年01月28日(火)Pick-up記事を再録、修正

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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