『江戸川乱歩の美女シリーズ17 天国と地獄の美女 パノラマ島奇談』(BS松竹東急)😉

約142分 初放送:1982年1月2日PM9:02〜 製作:テレビ朝日
BS松竹東急再放送:2024年10月12日PM9:00〜

BS松竹東急では今年4月から、江戸川乱歩生誕130年を記念して、1977〜1994年の17年間、テレビ朝日『土曜ワイド劇場』で放送された『江戸川乱歩の美女シリーズ』全33作を毎週日曜午後に放送していた。
迂闊にも、そのことに僕が気づいたのは10月12日に放送された本作の番宣をたまたま目にしてから。

惜しいことをしたなあ、また再放送してくれないかなあ、と思いながら録画した本作は1982年1月2日、正月特番の1本として放送されており、実家で両親と一緒に観た記憶がある。
当時はパノラマ島を創造する狂気の芸術家(マッドサイエンティストならぬマッドアーティストか)・伊東四郎の義眼を嵌めた怪演が薄気味悪かったものだ。

このシリーズの脚本は乱歩の原作からキモとなるアイデアだけを拝借したオリジナルで、本作は売れっ子のジェームス三木が手がけている。
ストーリーにはかなりの無理があり、後半に繰り広げられるパノラマ島のセットも安っぽく、思わず吹き出したくなるほどだが、娯楽の職人として知られた井上梅次監督の腕前でしっかり楽しませてくれる。

初放送時の一番の話題は、ヒロインを演じた人気女優・叶和貴子がセミヌードを披露し、形のいい乳房を露出していたこと(お尻を見せるバックヌードはカットが変わり、カメラが引くので吹き替えかもしれない)。
明智小五郎役の天知茂は、原作とはだいぶキャラクターが違うけれど、これもまた今にしてみると、いかにも1980年代っぽいところがいいですね。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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