『ドリヴン』(WOWOW)😉

Driven
117分 2001年 アメリカ=ワーナー・ブラザース
日本配給:日本ヘラルド映画、松竹

シルヴェスター・スタローンが製作と脚本を手がけ、『クリフハンガー』(1993年)でタッグを組んだレニー・ハーリンが監督したカーレース映画。
舞台は一見F1のようだが、当時アメリカが主催し、世界各国でレースが行われていたCARTシリーズ(のちのチャンプ・カー・ワールド・シリーズ、現在は消滅)。

シャーシに日本の電機メーカー・パイオニア、メンソールタバコ・クールのロゴが描かれているところが2000年代初頭の時代背景を忍ばせる。
スタローンはもともと、「音速の貴公子」と呼ばれたF1レーサー、アイルトン・セナ(1994年、レース中に事故死)をモデルとした映画にしたかったそうだが、現実的な諸問題からCARTシリーズに変更したという。

主人公は若き日のセナを彷彿とさせるイケメンの新人ドライバー、ジミー・ブライ(キップ・パルデュー)。
シリーズのポイント・ランキングで2位につけ、トップを走るベテラン、ボー・ブランデンバーグ(ティル・シュヴァイガー)を猛追しながら、レースの直接対決ではいつも遅れを取ってしまう。

そんなジミーを一人前にしようと、チーム・オーナーのカール・ヘンリー(バート・レイノルズ)は、かつて同じチームで走っていた元同僚、現在ではセミリタイヤ同然のジョー・タント(スタローン)を呼び寄せる。
しかし、ジミーにはマネージャー役のデミル(ロバート・ショーン・レナード)がベッタリと張りつき、ジョーが直接アドバイスすることを許さない。

さらに、ジョーとカールの間にも現役時代の重大な禍根があることがわかってきて、緊張した人間関係の中、いざレースが始まると様々な事故が事故が発生する。
レース場面の特殊効果は今時のVFXほど精巧ではないものの、レーサーの視点から捉えたスピード感溢れる映像、レースカーがスピンして宙を舞うクラッシュシーンは今観ても迫力たっぷり。

ストーリーもキャラクターも類型的な域を出ていないが、そのぶん気分よく安心して楽しめる。
この時代のスタローン映画はロッキーやランボー以外も結構面白かったんだよなぁ。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
先頭に戻る