この映画は高1のころ、地上波テレビの吹替版を部分的に観た記憶があるが、カトリーヌ・ドヌーヴがおっぱいをチラ見せしていたことと、ミシェル・ルグランの洗練された主題曲しか印象に残っていない。
そういう埋もれた旧作のリマスター版がたまに放送されるのがWOWOWのいいところである。
ベネズエラのナイトクラブで働いていたネリー(ドヌーヴ)は、イタリア移民のドラ息子ビットリオ(ルイジ・ヴァンヌッチ)に見初められて結婚することになったが、彼の暴力癖に嫌気が刺して新居から逃げ出してしまう。
ネリーがホテルの一室に転がり込むと、すぐさまビットリオが追いかけてきて、隣の部屋に泊まっていたマルタン(イヴ・モンタン)を巻き込み、くんずほぐれつの乱闘騒ぎを展開。
ネリーはパリに帰る飛行機代を捻出するため、以前雇われていたクラブ経営者アレックス(トニー・ロバーツ)に泣きつく。
この頼みをすげなく断られると、ネリーはアレックスの所有するロートレックの絵を盗み出し、これを1万ドルで買ってくれとマルタンに迫る。
そんな大金を持ち合わせていないマルタンは、航空会社の友人に頼んでパリ行きのチケットを手配し、ネリーを何とか飛行機に乗せることに成功。
マルタンがホッとして産直販売用の野菜を栽培している島の借家に帰ったら、先にネリーが入り込んで彼を待ち構えていた。
ロートレックが税関で引っ掛かって飛行機に乗れなかったため、そのチケットを利用して水上飛行機に乗り、マルタンの家に身を隠そうとしたのだ。
こうしてネリーとマルタンの奇妙な同棲生活が始まり、この島で独り暮らしをしているマルタンの正体が、実はアメリカの大手香水メーカーのカリスマ調香師であることがわかってくる。
いかにも1970年代のフランス映画らしい大人のラブコメで、モンタンもドヌーヴも楽しそうに演じている。
ジャン=ルー・ダバディとエリザベート・ラプノーの脚本はエスプリが効いており、ジャン=ポール・ラプノーの演出もテンポよく、最後まで楽しく観ていられました。
ただ、ドヌーヴのじゃじゃ馬ぶりはちょっと度を越していて、可愛いとばかり言ってられないところも少なくない。
今時の映画ファンにウケるかどうかはちょっとわかりませんね。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑