日本が世界に誇る「特撮の神様」円谷英二が、その地位を確立した戦争映画の古典中の古典。
いまや伝説と化している真珠湾奇襲の直前、九七式艦上攻撃機がモクアス岬から侵入、クーロー山脈を縫うように飛んでいく場面は何度見ても素晴らしい。
このシーン、山脈のセットの周りにミニチュアを飛ばしているように見えるが、実はその逆で、飛行機とカメラのほうを固定し、山のほうを回転させているのだそうだ。
爆撃機の風圧によって樹木が揺れるところは、枝に糸を括り付けておき、ミニチュアが通過するタイミングを見計らってスタッフが引っ張っていたという。
現在ではあまり顧みられなくなった人間ドラマの部分、とりわけ海軍兵学校での描写もなかなか興味深い。
昔は教練の一環としてラグビーをやっていたんですね。
ただし、本作は海軍省の企画によって製作されたれっきとした戦意高揚映画である。
実際、劇場公開当時は「真珠湾攻撃一周年記念作品」として公開された。
そのため、敗戦後は円谷や監督の山本嘉次郎を戦争犯罪人と指弾する声もあがったという。
そうした歴史的背景も踏まえて、日本人なら一度は観ておきたい作品です。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑