『アステロイド・シティ』(WOWOW)🤨

Asteroid City
104分 2023年 アメリカ=フォーカス・フィーチャーズ
日本配給:パルコ

フォーマットもストーリーも凝りに凝りまくった異色のコメディ映画『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年)で知られるウェス・アンダーソン監督の長編最新作。
原案、脚本、製作も兼ねた1人4役で独特の作風と世界観をさらに掘り下げた作品に仕上げている。

タイトルのアステロイド・シティ(小惑星の町)は紀元前3000年に隕石が落下したクレーターを観光資源としているネバダ州の小さな町(人口87人)。
ここに全米から超秀才の少年少女が集められ、発明品を競い合う〈ジュニア宇宙科学大会〉が開催されたところへ、本物の宇宙人が現れる。

というのは、1955年、まだ白黒だったテレビドラマで、映画はドラマのパート、テレビの司会者(ブライアン・クランストン)が案内する舞台裏のパートを行ったり来たりしながら進行する。
出演している俳優はアンダーソン作品常連のジェイソン・シュワルツマン、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス、ジェフリー・ライト、エドワード・ノートン、ウィレム・デフォー、マーゴット・ロビーなどなど、今をときめくオールスターキャスト。

複雑な構成のあちこちに様々な笑わせどころが仕掛けられており、それほど深読みしなくても、ニヤニヤ、クスクスしながら楽しむことができる。
が、設定に凝り過ぎて交通整理が行き届かず、いささか難解な作品になっている印象も否めない。

同じアンダーソンのコメディでも、『グランド…』に比べると、はるかに観る者を選ぶ作品。
この世界観にハマってリピートするファンもいるそうだけど、僕は1回観れば十分ですね。

オススメ度C。

A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
先頭に戻る