息抜きに見に行った首位攻防戦は大熱戦!⚾

マツダスタジアム(きょう12時半ごろ)

今回の帰省の重要任務だった母親の通院の付き添い、実家の掃除と草むしりはきのうまでに無事終了。
ゆうべは風呂上がりに缶ビール3本、缶チューハイ1本で酔っ払い、首位カープが2位阪神に負けたテレビ中継を何とか最後まで見た夜9時過ぎ、爆睡してしまった。

ふだんなら、まだ飲み始め程度の量なのにね。
母親と一緒にいる間は意識していなかったけれど、猛暑の中、体の不自由な母親の介護が心身にもたらした疲労度は、われながら並大抵ではなかったようです。

一夜明けたきょうは、マツダスタジアムへカープと阪神の首位攻防戦第3ラウンドを取材に行ってきました。
本来はきのうまでが休日、きょうが仕事なんだけど、球場の中に入った途端、妙にホッとして、息抜きに来たような気分になった。

カープはきょう、最近3番を打っていた上本がベンチスタート。
今季41試合に出場していた宇草が腰痛のために登録抹され、代わりに急遽中村奨が昇格となった。

今夜の試合、カープ側から見た前半のポイントは、2-3と1点差に追い上げていた四回2死一、三塁。
この場面、新井監督は打順が回った先発投手アドゥワを見切り、まだ前半だったにもかかわらず代打の切り札・松山を送ったが、空振り三振に打ち取られて追いつくことができず。

アドゥワは二回こそ四球がらみで一挙3点を失い、逆転を許したものの、三、四回は立ち直ってゲームを作っている。
そのアドゥワに序盤で代打・松山は、よく言えば、本拠地で阪神に3連戦3連勝はできない、絶対に勝つんだ、という新井監督の強い意思の表れでしょうね。

一方で、カープがここまで首位を維持できている大きな要因の一つが、先発ローテの6人を我慢しながら使い続けてきたことにあるのも確か。
先発陣もよほど大崩れしない限り、五回までは降ろされないという信頼感があるからこそ、しっかりゲームメークできていたんですよ。

とくに、6人の中でも実績に乏しく、5年ぶりに先発に復帰したアドゥワのような投手は、そうしたベンチの方針に勇気づけられている部分が大きかったはず。
だから、悪く言えば、きょうの四回の代打・松山は、新井監督の焦りの表れと取ることもできる。

6月30日の巨人戦でも、玉村をやはり4イニングで降ろし、結果的に1点差で負けたことも記憶に新しい。
さあ、これからどうなるだろう、と思いながら見ていた五回にカープが同点に追いつき、八回に最大のヤマ場にして最重要ポイントとなる場面が訪れた。

この回、小園が阪神2番手・島本から右前安打して出塁すると、1死から代走・羽月が二盗、三盗。
続く野間、石原もリリーフ陣から四球を選んで満塁とし、菊池が打席に入ると、マツダスタジアムの盛り上がりは最高潮に達した。

が、菊池が全部振って出てあえなく空振り三振。
これでおしまいかと、スタンドの空気が一気に萎みかけた矢先、堂林への初球が暴投となるや、三走・羽月が果敢に本塁を陥れて勝ち越し点が入ったのだから野球はわからない。

その後、堂林、代打・二俣の連続タイムリーなどで一挙4得点を挙げてカープが逆転勝ち。
試合後、新井監督はテレビインタビューでこの日の積極采配について聞かれると、「ある程度ムチャクチャをやらないと勝てないと思ってたんで」と発言。

終わってみれば、新井さんのなり振り構わぬ姿勢に選手たちが乗せられたような勝利でした。
ただし、先にも書いたように、勝ったからいいものの、もし負けていたらどうなっていたことか。

ばっちりハマるか、裏目に出るか、リスクの大きい紙一重の新井さんの采配は、ある意味、かつての巨人・長嶋監督を彷彿とさせますね。
というのは例えが強引かな?

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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