2016年の離婚訴訟から2022年まで6年間泥仕合が続いたハリウッドスター、ジョニー・デップと元妻アンバー・ハードの裁判が引き起こしたSNS上での騒動を検証したドキュメンタリー。
ハードのほうが「マスキュリニスト」と呼ばれる男性優位論者によって徹底的なネットリンチに遭う過程がつぶさに描かれる。
悪意のある編集、切り取り、改竄、さらにはあからさまな捏造とやりたい放題で、観ているうちに男性のこちらもだんだん気分が悪くなってくる。
マスキュリニストたちはかねてから西欧社会に多数潜伏しており、かねてから現代国際社会におけるフェミニズムの台頭を苦々しく思い、不満と鬱憤を募らせていたらしい。
そこへ、デップ・ハード離婚裁判とほぼ同時期、2017年に映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによる性暴力事件が露見し、世界中で女性がセクハラ被害を訴える「ミートゥー運動」が発生。
おかげでマスキュリニストたちはますます虐げられているように感じ、これに対する反動から激しく執拗なハード・バッシングに走ったのだ、と本作は解説している。
ネットの世界がどれだけ病んでいるかを知っておくには格好の一篇。
ただし、よほどのゴシップ好き、ネットマニアでない限り、観ていて気分の良くなる作品とは言い難い。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑