第88回アカデミー賞で編集賞、録音賞など最多の6冠に輝いた前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)から9年ぶりに製作された続編にして前日譚。
前作でシャーリーズ・セロンが演じた隻腕、坊主頭の女闘士フュリオサがいかにして誕生したかが描かれる。
舞台は前作と同じ世界戦争の45年後、砂漠と化したウェイストランド(荒野)。
緑と水源に恵まれた故郷で暮らしていた少女フュリオサ(アリーラ・ブラウン)はバイカー軍団「バイカー・ホード」に誘拐され、駆けつけた母親メリー・ジャバサ(チャーリー・フレイザー)を軍団の首領ディメンタス(クリス・ヘムズワース)に殺されてしまう。
復讐心の塊となって成長したフュリオサを演じているのはアニャ・テイラー=ジョイで、大変な熱演。
年齢の設定が前作より若いこともあってか、前作のセロンより目つきが鋭く、より戦闘的でエッジの効いたキャラになっている。
マッドマックス・シリーズの生みの親、監督・脚本を手がけたジョージ・ミラーならではのスピード感溢れるカーアクションは本作でも健在。
とくに、上映時間で1時間20分ごろ、40分以上延々と展開されるタンクローリー「最強タンク」とバイカー軍団との対決には手に汗握ったねえ。
さらにクライマックス、フュリオサが恋人ジャック(トム・バーク)とともに、最強タンクでディメンタスが制圧したガソリン供給源「ガスタウン」に殴り込むくだりも迫力たっぷり。
以上の2シーンだけでも、IMAX料金を払って観るだけの価値は十分ある。
ただ、アクションシーン以外の人間ドラマの部分はいささか退屈かつ冗長で、そのために全体の上映時間が過度に長くなっている感は否めない。
ヘルムズワースがアベンジャー・シリーズのマイティ・ソーそっくりのコスチュームなので悪役に見えない上、大団円となる復讐のシーンも必要以上に引っ張り過ぎているように思いました。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑