ハマスタ10連勝vs.7連勝、これぞエース対決!だったのに…⚾

JR関内駅構内の交流戦を告知するポスター、その真ん中にはエース東が

プロ野球が全試合予告先発精度となって以来、どこの球団でも翌日の先発投手が取材対応する「前日先発囲み」が行われるようになっている。
きょう横浜スタジアムで広島戦に先発したDeNAのエース東も、きのう神宮球場でヤクルト戦の試合前にわれわれ報道陣に囲まれた。

今季の開幕投手・吾妻は、ここまで8試合に登板して4勝0敗の東は現在、本拠地ハマスタで10連勝中。
これは遠藤一彦と並ぶ球団最多タイ記録で、きょうも勝って11連勝とすれば巨人・斎藤雅樹と並ぶとあり、記録達成への意気込みを尋ねる質問が飛び交った。

その際のコメントはここには書けないんですが、東は常に明るく、前向きで、具体的なコメントを返してくれる。
今年からメジャーリーグのカブスに移籍し、快投を続けている今永と今も連絡を取り続けていることなど、こちらが思わず身を乗り出してツッコミを入れたくなるようなエピソードも実に多い。

一方、きょう対戦するカープの大瀬良もハマスタでは7連勝中。
大瀬良はここ3年間、勝利数が1桁台にとどまっているにもかかわらず、横浜に来ると何故か好投することが多くて、2年前には目の覚めるような完封を披露している。

大瀬良もまた、昔からよく知られているように、絵に描いたような好青年。
好調の時も不調の時も、話を聞くたびに丁寧に対応し、現状について説明してくれる姿には、日刊ゲンダイ、東スポと夕刊紙を主戦場として37年、ひねくれたすれっからしのライターも頭が下がります。

そんなふたりの投げ合いは、大瀬良が初回の立ち上がりにDeNA・山本の犠牲フライで1点を先制されるところからスタート。
それでも、大瀬良はここから粘り強く投げ続け、二、七回と2度得点圏に走者を背負いながらも追加点を許さない。

一方、東も三、四、七回と三塁まで走者を進められるたび、気迫の投球で後続を断つ。
しかし、八回に先頭の秋山を単打で塁に出すと、2死までこぎつけた直後に小園に一塁内野安打を打たれてついに1-1の同点。

大瀬良は112球、東は113球を投げ、ともにこの八回で降板し、どちらにも勝ち負けはつかず、従ってハマスタでの連勝記録は継続中となりました。
なお、試合は延長十回、DeNAのリリーフ陣、伊勢がソロ2本、石川が2ラン1本を被弾し、結果的には5-2でカープが圧勝。

カープの勝ち方は勢いがつきそうだけど、ベイスターズの負け方は東の力投が報われなかっただけに後味が悪い。
開幕3連戦では2勝1敗とベイスターズが勝ち越したこのカード、明日、仕切り直しといけるかどうか。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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