『MEG ザ・モンスターズ2』(WOWOW)🤨

Meg 2: The Trench
116分 アメリカ=ワーナー・ブラザース

『ジョーズ』(1975年)以来、約半世紀を経た今なお、掃いて捨てるほど作られているサメ映画の中で、『MEG ザ・モンスター』(2018年)は最もカネがかかっており、人気アクション俳優ジェイソン・ステイサムを主役に据えていながら、それでいて内容的には救いがたいほどバカバカしい作品だった。
というのは、巨額の製作費を投じたという中国のプロデューサーに対する皮肉、もう半分が開き直ってこんな〝おバカ大作〟をでっち上げたハリウッドへの褒め言葉、です。

本作はその続編で、7600メートルの深海に生息していた白亜紀のサメ、体長20メートル以上のメガドロン(略してMEG)が3匹のトリオを組んで人間たちに襲いかかる。
一応、シナリオにもそれなりに工夫が凝らしてあり、海洋研究機関〈マナ・ワン〉のジョナス・テイラー(ステイサム)らが深海探索をしていた最中、希少金属〈レア・アース〉を違法採取していた環境テロリストのグループに遭遇し、両者の戦いにMEGや恐竜のような深海生物がからむ、という設定。

フィリピンのリゾートアイランドが舞台となるクライマックスでは、前作同様、『ジョーズ』のオマージュというか、ほとんどパクリに近いようなシーンが連続。
とくにジョナスが3匹のサメをやっつけるくだりでは、演じるステイサムがブロディ署長(ロイ・シャイダー)、クイント(ロバート・ショー)、フーパー(リチャード・ドレイファス)に空目しそうになったほど。

雨や猛暑の季節柄、外出するのが億劫になってしまうA先生のような出不精の年寄りにとっては、格好の暇潰しになる1本。
ただ、非常にユルい作りの映画なので、『ジョーズ』を知らない人にも楽しめるかどうかは保証できませんけどね。

オススメ度C。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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