『ジョーズ』(1975年)以来、約半世紀を経た今なお、掃いて捨てるほど作られているサメ映画の中で、『MEG ザ・モンスター』(2018年)は最もカネがかかっており、人気アクション俳優ジェイソン・ステイサムを主役に据えていながら、それでいて内容的には救いがたいほどバカバカしい作品だった。
というのは、巨額の製作費を投じたという中国のプロデューサーに対する皮肉、もう半分が開き直ってこんな〝おバカ大作〟をでっち上げたハリウッドへの褒め言葉、です。
本作はその続編で、7600メートルの深海に生息していた白亜紀のサメ、体長20メートル以上のメガドロン(略してMEG)が3匹のトリオを組んで人間たちに襲いかかる。
一応、シナリオにもそれなりに工夫が凝らしてあり、海洋研究機関〈マナ・ワン〉のジョナス・テイラー(ステイサム)らが深海探索をしていた最中、希少金属〈レア・アース〉を違法採取していた環境テロリストのグループに遭遇し、両者の戦いにMEGや恐竜のような深海生物がからむ、という設定。
フィリピンのリゾートアイランドが舞台となるクライマックスでは、前作同様、『ジョーズ』のオマージュというか、ほとんどパクリに近いようなシーンが連続。
とくにジョナスが3匹のサメをやっつけるくだりでは、演じるステイサムがブロディ署長(ロイ・シャイダー)、クイント(ロバート・ショー)、フーパー(リチャード・ドレイファス)に空目しそうになったほど。
雨や猛暑の季節柄、外出するのが億劫になってしまうA先生のような出不精の年寄りにとっては、格好の暇潰しになる1本。
ただ、非常にユルい作りの映画なので、『ジョーズ』を知らない人にも楽しめるかどうかは保証できませんけどね。
オススメ度C。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑