御年67歳のトム・ハンクス演じる主人公オットー・アンダーソン(映画上の設定は63歳)は、ペンシルベニア州ピッツバーグの分譲住宅でひとり寂しく暮らしている気難しい老人。
毎朝、違法駐車している車はないか、ゴミはきちんと分別されているか、ペットの糞や小便が放置されていないか、近所をあちこち見て回ってはルール違反をしている住民を怒鳴りつける。
そんな嫌われ者のオットーはしばらく前に最愛の妻ソーニャ(レイチェル・ケラー)を亡くしており、家の電気も電話も契約を打ち切って、自ら命を断とうとしていた。
ところが、いままさに首を吊ろうとしていたそのとき、トミー(マヌエル・ガルシア=ルルフォ)、マリソル(マリアナ・トレビーニョ)夫妻とふたりの娘アビー(アレッサンドラ・ペリッツ)、ルナ(クリスティアナ・モントーヤ)の4人家族が向かいの家に引っ越してくる。
メキシコ人のマリソルは料理やクッキーをオットーに差し入れ、トミーはハシゴやアーレンレンチを貸してほしいと頼み込んで、断ろうにも断れない。
そうこうするうち、オットーが貸したハシゴからトミーが転落して救急車で運ばれ、オットーはマリソルと娘たちを自分の車に乗せて病院に連れて行かざるを得なくなる。
次第にマリソルと打ち解けてきたオットーは、近所には長らく仲違いしたまま、いまでは要介護認定を受けている元親友ルーベン(ピーター・ローソン・ジョーンズ)が暮らしていることを明かす。
現在は妻のアニータ(ジャニタ・ジェニングス)と近所のジミー(キャメロン・ブリットン)が面倒を見ているが、分譲住宅街を経営するダイ&メリカ不動産会社からルーベンを施設に移し、家を明け渡すよう迫られていた。
トム・ハンクス主演の定番的な人情コメディで、キャラクター設定とストーリー展開から落ち着くところへ落ち着くんだろうなとわかってはいても、ホロリとさせられ、心地よい感動が残る。
ハンクスの好演は言わずもがなで、脇役陣もそれぞれいい味を出している中、オットーの若き日を演じている実の息子トルーマン・ハンクスがなかなか印象的でしたね(俳優としての素質には賛否がありそうだけど)。
原作小説はスウェーデンの作家フレデリック・バックマンのベストセラー小説『幸せなひとりぼっち』で、本作は同国で製作された同名映画のリメイク版でもある。
本作を放送した〈W座からの招待状〉のMC、小山薫堂と信濃八太郎がエピローグでオリジナル版にチラリと触れていて、すぐにそちらも観たくなりました。
オススメ度A。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑