『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』(テレビ朝日)😉

130分 2023年 アスミック・エース、J SPORTS
(画像は3月10日付日刊スポーツ1面)

今年3月、WBCで世界一となった侍ジャパンの足跡を専属カメラマンによる映像で再構成したドキュメンタリー作品。
栗山監督をはじめとした首脳陣が選手の人選について話し合うミーティング、ベンチ裏で大谷翔平が他の選手たちにかけている言葉、準決勝のメキシコ戦で先制3ランを打たれた佐々木朗希が打たれて泣きじゃくっている姿など、興味深い映像が山盛りである。

ただし、準決勝を前に突然MLBが対戦カードの組み合わせを変更したこと、準決勝以降の大谷とダルビッシュ有の起用法について、彼らの所属するエンゼルス、パドレスとギリギリまで水面下の交渉が続いていたことなど、複雑な問題をはらんだ内幕には触れていない。
まあ、世界一になった感激と興奮を反芻するための映画なのだから、そんな余計なツッコミを入れるなよ、と言われたらそれまでなんですけどね。

シャンパンファイトでは、宮崎キャンプからリーダーシップを発揮したダルビッシュが、選手たちに「また3年後に会いましょう」と呼びかけている。
3年後の侍ジャパンの顔ぶれがどうなっているかわからないが、一野球ファンとしてはぜひ実現してほしいところ。

ラストシーンは、決勝でアメリカに勝った直後のグラウンド上に戻り、ジャパンの選手が集合写真の撮影のために整列。
このとき、大谷が勝った瞬間、自分で投げ飛ばしたグラブを探して「俺のグラブは?」と言っていたのがおかしかった。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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