1970年代を代表するバイオレンス・アクションの巨匠サム・ペキンパーによる名作にして最大のヒット作。
中学か高校のころ、地上波テレビの洋画劇場でカットされた吹替版を観た記憶があるが、ノーカット字幕版を観たのは今回が初めて。
オープニング、スティーヴ・マックィーン演じるプロの強盗犯ドク・マッコイが刑務所から仮釈放され、4年ぶりに会った恋女房キャロルとのしっとりしたラブシーンは、再見してすぐに思い出した。
ふたりが半裸になってベッドに腰掛け、マックィーンが刑務所生活で自信を失いかけていることを告白するシーンが胸に沁みる。
出所したマッコイは、仮釈に力を貸してくれた町の実力者ジャック・ベイノン(ベン・ジョンソン)の依頼を受け、さっそく新たな銀行強盗の計画に取りかかる。
ベイノンがマッコイの助手につけたルディ・バトラーを演じているのがアル・レッティエリ、その相棒フランク・ジャクソンがボー・ホプキンスというキャスティングはいかにもこの時代らしく、すぐにマックィーンを裏切って返り討ちに遭うよ、と知らせているようなもの。
かくして、銀行から50万ドルを強奪したマックィーンとマッグローが無事逃げおおせるか、追ってくる警察とベイノン一味を相手に銃撃戦とカーチェイスを繰り広げながら、メキシコへの逃避行が繰り広げられる。
昔も今も一番印象的なのは、マックィーンとマッグローがゴミ運搬車に隠れてメキシコへ向かい、国境間際のゴミ捨て場に投げ出される場面。
その直後にスリム・ピケンズの運転するトラックに乗せてもらい、国境を通過するシーンもよく覚えていた。
1968年にヘイズ・コードが失効するまで、たとえ主人公でも犯罪者はその報いを受けなければならないという理不尽なルールに縛られていた当時のハリウッドにおいて、本作のエンディングは極めて画期的な意味を持ち、後進にも大きな影響を与えたと言われる。
僕は長らく、これはペキンパーのアイデアだろうと思っていたのだが、本作をきっかけにマッグローと結婚したマックィーンの意向によるものだった、という説があることを最近知った。
ま、そんなことはどっちでもいいんですけど、ともかくいま観ても十分に面白い傑作です。
オススメ度A。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑