プーチンはいかにして現代のスターリンともいうべき恐ろしい権力者へと変貌を遂げたのか、イギリス国営放送BBCが総力取材でまとめ上げた3時間の長編ドキュメンタリー(NHK放送版は2時間半弱)。
パート1は2014年のクリミア併合、パート2は2015年のシリア空爆、そしてパート3は昨年のウクライナ侵攻と、節目節目で武力の行使と一般市民の虐殺を繰り返してきたプーチンが何を考え、どのような計略を巡らせていたのか、詳細に振り返っている。
BBCの番組だけに、インタビューに応じている顔ぶれも、自国のキャメロン、ジョンソン歴代首相をはじめ、フランスのオランド大統領、それにもちろんウクライナのゼレンスキー大統領などなど、プーチンと様々な駆け引きを繰り広げた各国の首脳が勢揃い。
ここに主要各国の外交官や、EUで中心的役割を果たした要人が加わり、実際に接したプーチンがどのような人物であったかを語る。
しかし、ロシアがウクライナ侵攻を始める前、西側諸国首脳のプーチン大統領に対する言動を見ていると、西側のロシアを侮った態度がプーチンを逆上させ、今日の混迷した事態の遠因になっているようにも感じられる。
アメリカのオバマ大統領がロシアを「一地方の大国」という言葉で田舎者呼ばわりしたり、2014年のクリミア併合以降、主要国会議G8からロシアを除外したり。
西側諸国による「われわれこそ国際社会の主流派」と言わんばかりの対応に、もともと民族意識の高いプーチンがさぞかし歯噛みしていただろうことは想像に難くない。
もっと言えば、このBBCの番組自体に、プーチンを見下し、過度に悪役視しているかのようなプロパガンダ臭が感じられる、という見方は穿ち過ぎだろうか。
オススメ度A。
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