新型コロナウイルスの症状が粗方治まってから10日近くたちました。
最も苦しかった喉の痛みは発症後3日程度で完全に消え去り、味覚や嗅覚の異常は最初から無く、初期に感じた37℃程度の微熱、頭痛、筋肉痛などもまったく感じない。
いまでもくしゃみや咳が続くことはたまにありますが、これはコロナに感染する前からだから、後遺症と呼べるかどうかはわかりません。
定期検診の際、そうした経緯をかかりつけのお医者さんに話したら、「もう罹ったからといって死ぬような病気じゃないですからね」と、大したことではないと言わんばかり。
記者仲間にもコロナに罹っていた知人が結構いて、感染が疑われる状態でも仕事を続け、念のためにとPCR検査を受けたら陽性だった、というケースもある。
それやこれやで、1類から5類への移行により、いまや「コロナは季節性インフルエンザの一種に過ぎない」という認識が広まりつつあるんだなぁ、とボンヤリと感じていました。
ところが、きのう久しぶりに自転車仲間の友人に会ったら、「何を言ってるんですか、いまでも後遺症を抱えている人はいっぱいいますよ」と言われてびっくり。
接客業を仕事にしている彼が言うには、コロナに感染した常連客の何人かが「味覚、嗅覚が戻ってこない」と訴えており、それが1年以上も続いている人もいるという。
コロナの初期に報じられた大量の抜け毛に、いまだに悩まされているケースも少なくない。
さらに、目に見える症状ではないから理解されにくく、滅多に報道されなくなった症状として、深刻な「倦怠感」もある。
そこで思い出したのが、昨年2月に共同通信社会部記者の秋田紗矢子さんが、自らのコロナ後遺症を詳細に綴ったこの記事です。
『「軽症で回復したはずだった」コロナ後遺症の深刻な実態 1年以上苦しみ、今なお治らない記者の記録』
倦怠感やそれに似たうつ病・うつ症状は、目に見える外的症状が出ないため、身近な周囲の関係者にすらなかなか理解されにくい(うつ症状は僕も経験あり)。
そうした大変表現しづらい倦怠感の実際の症状と、医学的見地からの考察を、秋田さんは、まだコロナに罹患していなかったころの僕にもよくわかる、実に明晰な文章で伝えてくれていました。
しかも、そうした自分を客観的な視線で見つめ、なお前向きに生きようとしている姿勢に感銘を受けた。
コロナの後遺症に悩んでいる人たちはもちろん、僕のようにコロナに対する危機感を忘れがちな人たちにも御一読をお勧めしたい。
ついでに書いておくと、僕は昨年9月に父を亡くし、いまだにその喪失感を引きずっています。
今年8月はその父の初盆で、猛暑の中、広島県竹原市の実家と広島市のマツダスタジアムを行ったり来たりしているうちに体調を崩し、熱中症だろうと勝手に思い込んでいた。
ところが、母親に勧められて最寄りの内科医に行ったら、コロナに感染していることが発覚。
60歳のいま、毎朝目を覚ますたび、俺は元気か、倦怠感を感じてないか、と自らに問いかけている今日この頃です。