多くの日本人絵画ファンの例に漏れず、僕もゴッホは大好きです。
大盛況だった2019年のゴッホ展(上野の森美術館)にはもちろん足を運び、ゴッホの伝記映画の代表作『炎の人ゴッホ』(1956年)、『ゴッホ 最期の手紙』(2017年)、『永遠の門 ゴッホが見た未来』(2018年)なども鑑賞している。
しかし、その程度の〝生かじり〟では、とても十全に理解することなど不可能なのがゴッホの作品と生涯。
本書は、『ビジネス戦略から読む美術史』(2012年/新潮新書)などの美術解説書で知られる著者が、僕のような素人の疑問を氷解させてくれた。
まず驚かされたのが、日本の浮世絵に大きな影響を受けたゴッホが、実は浮世絵と日本の版画について大きな誤解をしていたという点。
しかし、その勘違いがアルル移住のきっかけとなり、数々の名作を生むモチベーションになったというのだから、事実は映画よりも奇なり。
また、喧嘩別れに終わったゴーギャンとの共同生活も、決してゴッホとの友情や彼の理想に共鳴して始められたものではなかった。
ゴーギャンの目的はゴッホの弟テオの資金援助を受けることにあり、要するに金目当てだったというのである。
自殺、事故死と諸説あるゴッホの最期は、はっきり自殺だったと結論づけている。
一読して異論を唱えたくなる向きもあるかもしれないが、僕にとっては、胸の中でいつも輪郭がぼやけていたゴッホが、ようやく一つの明確な像を成したかのような納得感があり、大変勉強になりました。
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