新井カープが怒濤の10連勝で単独首位浮上である。
新井監督は試合後、力強く言い切った。
「ここまで来られたのは選手全員の力。
ひとりひとりがきょうは俺がやってやろう、と思っているからこそ、連日僅差の試合を勝ちきることができてるんです」
その中心にいたのは、10連勝中、直近5試合で4番を打った上本だ。
170㌢、73㌔と12球団一小さな4番ながらも連日地味な働きで貢献。
初めて4番に抜てきされた22日の中日戦では2安打をマーク。
とくに同点の七回、勝ち越しのチャンスを広げたつなぎの一打が光った。
そんな上本の働きを、新井監督はこう絶賛。
「彼はチャンスメークもできるし、つなぐこともできるし、勝負強さもある。
1試合の中でいろんな打順もポジションもこなせるし、オンリーワンの選手ですから」
上本にプレッシャーをかけるとは思わなかったのか。
そう聞くと、新井監督は首を振った。
「クレバーな選手なんで、メンタル面も整えて臨んでくれると思った。
私も信頼してますんで」
ただし、4番抜てきを通達するには、新井監督なりに気を遣っていた。
上本本人によると、「4番は前日の練習終了後、打撃コーチを通してコソッと伝えられた」という。
現役時代、4番の重圧に耐えきれず、山本監督の前で号泣した新井監督ならではの配慮である。
そこで、上本は4番のプレッシャーを感じていないのか、本人に聞いてみた。
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