池井戸潤のベストセラーで、テレビドラマ化もされた同名小説を映画化した作品。
タイトルはともに東大卒でメガバンク・産業中央銀行に同期入行し、ライバル関係となるエリート銀行マン、山崎瑛(竹内涼真)と階堂彬(横浜流星)の名前を指す。
瑛は幼い頃、町工場を経営する父・孝造(杉本哲太)が銀行に見離され、夜逃げ同然に家を追われて苦学した経験の持ち主。
対する彬は大企業・東海郵船グループの総帥・一磨(石丸幹二)の御曹司ながら、次期社長の椅子にあえて背を向け、独力でエリートバンカーを目指している。
瑛と彬は新人研修の一環として行われた模擬融資交渉で銀行側と会社側に分かれ、手に汗握るネゴシエーションを展開。
一躍、伝説のトップバンカーと呼ばれる融資部長(のちに頭取)・羽根田一雄(奥田瑛二)をはじめ全行員に注目される存在となる。
しかし、上野支店へ配属された瑛は、資金繰りに苦労している町工場への融資にこだわるあまり、確実性に欠けるとして副支店長・不動公二(江口洋介)に睨まれ、広島県の福山支店に左遷されてしまう。
一方、順調に出世の階段を上っていたかに見えた彬の背後では、叔父・崇(児嶋一哉)、晋(ユースケ・サンタマリア)が弟・龍馬(高橋海人)を担ぎ、東海郵船グループの乗っ取りを企んでいた。
ここから銀行中枢への復帰を目指す瑛のリベンジと、悪辣な叔父たちの策略と実弟の野望に翻弄される彬のストーリーが交互に描かれる。
原作がよくできている上、三木孝浩の演出もテンポよく、主人公ふたりを演じる竹内涼真と横浜流星も好演で、キャッチコピーにある「大逆転劇」まで気分よく観ていられます。
ただ、あえてイチャモンをつけるとしたら、昭和時代からのオールド映画ファンの目には、奥田瑛二や江口洋介はとてもエリートバンカーには見えませんね。
珍しく憎まれ役を演じているユースケ・サンタマリアも、あまりに型通りの悪役ぶりで、彼独特のユーモアや人間臭さが感じられなかったのが残念でした。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑