2019年に毎週月曜9時枠で全12話が放送されたフジテレビの連続ドラマ『シャーロック』の劇場映画版。
人気ドラマの映画版ならまだ放送中か、放送が終わってから間もないころに製作されるものだが、本作のように3年後に公開されるケースは珍しい。
原作はアーサー・コナン・ドイルによるミステリー小説の古典、シャーロック・ホームズ・シリーズの最大長編『バスカヴィルの犬』。
本作では舞台をロンドン郊外から瀬戸内海の島に移し、バスカヴィル家ではなく蓮壁家の当主・千鶴雄(西村まさ彦)が突如変死する事件が発生する。
千鶴雄は自室で倒れたとき、ちょうど娘・紅(新木優子)の誘拐事件の捜査を和製ホームズ・誉獅子雄(ディーン・フジオカ)、和製ワトソン博士・若宮潤一(岩田剛典)のコンビに依頼していた最中だった。
そこで行きがかり上、このふたりが捜査に乗り出し、島の蓮壁邸に寝泊まりして真相を探ることになる。
誉と若宮のコンビネーションがよろしく、主役の誉がしばし姿を消している間に次なる殺人事件が起こり、ひとり島の邸宅に残された若宮が不安と苛立ちを募らせる、という展開も定石通りながら、なかなか面白く見せる。
監督は東野圭吾原作のガリレオ・シリーズ『容疑者Xの献身』(2008年)、『真夏の方程式』(2013年)を演出した西谷弘で、今回も最後まで退屈させません。
しかし、事件の核心が紅の出生の秘密に及ぶと、舞台が瀬戸内の豪邸という設定とも重なり、何だか昔観た横溝正史原作の金田一耕助シリーズみたいだなあ、と思わないでもなかった。
あのシリーズが好みに合わないオールドファンは違和感を感じるかも。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗😱 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑