2年ぶり、コロナ規制解禁後、初の大相撲観戦

今場所のチケットはすでに千秋楽まで完売

いやあ、大相撲はやっぱり楽しい、面白い!
入場者の人数制限が撤廃され、声出し応援も解禁となって初めて、両国国技館へ五月場所の観戦に行き、改めて国技の良さを実感しました。

大相撲観戦はコロナ禍による規制が続いていた2021年3月25日以来、約2年2カ月ぶり。
お茶屋さんの2階席最前列で、幕の内弁当をつまみに生ビールを飲みながら土俵を見つめ、時折年甲斐もなく大声を出す。

こんな他愛もないことで日頃のストレスが吹き飛び、リフレッシュできるのがスポーツ観戦の良さ。
以下、きょう印象に残った取組とシーンを挙げていきましょう。

東幕下24枚目・瀬戸の海(手前)

きょう一番の個人的注目の的は、高田川部屋の東幕下24枚目・瀬戸の海(高田川部屋)。
四股名からもわかる通り、広島市出身で、僕の郷里でもある竹原市の大川道場で腕を磨き、実家のすぐ近くの竹原中学に通っていた。

帰省した際、竹原市長の今江さんや秘書課の大川さんとの間でも話題に上る期待の星です。
しかし、きょうは西幕下25枚目・羽出山(玉ノ井部屋)に押し倒され、土俵外に吹っ飛ばされて(1勝)3敗目。

まだ18歳だから線も細いし、立ち合いの力強さもいまひとつ。
しかし、それだけ伸び代が大きいとも言えるのだから、今後の精進に期待したい。

幕下2枚目・獅司

幕下でもうひとり、入門時から注目していたのがウクライナ出身の幕下2枚目・獅司(雷部屋)。
2年前はまだ髷が結えなかったけれど、いまはお相撲さんらしい髷を頭に乗せ、幕下5枚目・勇磨(阿武松部屋)を寄り切り、負けなしの4連勝を決めた。

東十両土俵入り
注目の新星、十両8枚目・落合(宮城野部屋)は貴健斗(常盤山部屋)を引っくり返して7連勝
十両6枚目・白鷹山(手前、高田川部屋)は4勝目
十両筆頭・湘南乃海(高田川部屋)は5勝目

十両以下の力士が大いに頑張っている姿は頼もしく、60歳の僕も元気づけられました。
が、その一方で、幕内では高安、若隆景に続いてこの日から遠藤が休場し、楽しみにしていた豊昇龍との取組が見られなかったのは非常に残念。

横綱・照ノ富士の土俵入り

そうした中、大変見応えがあったのが、横綱・照ノ富士の土俵入り。
照ノ富士が四股を踏むたび、観客から「よいしょーっ!」という声が上がると、これぞ大相撲、これぞ国技ならではの盛り上がりだと実感しました。

前頭14枚目・朝乃山(左、高砂部屋)は11社から懸賞金がかかった一番で土つかずの7連勝
前頭筆頭・阿炎(錣山部屋)は3勝4敗で黒星先行
結びの一番では照ノ富士が初対戦の前頭8枚目・金峰山(木瀬部屋)を上手投げで難なく撃破
スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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