きょうもまたきのうと同様、巨人-広島戦を取材するために東京ドームへ。
2日続けて感じた〝異変〟のひとつに、試合前の練習中、両チームの選手が雑談する光景がやたらと目立つようになったことがある。
巨人の試合前の練習中、カープの選手が現れると、まず現役ドラフトで巨人から移籍した戸根が巨人の坂本をはじめ、選手やコーチ陣に挨拶。
今年カープから巨人に復帰し、きのう戸根からホームランを打った長野もニコヤカに声をかけている。
その戸根に菊池涼、アドゥワが加わり、中田や元木作戦コーチと雑談。
戸根がその後、三塁側ファウルグラウンドで会沢とストレッチをしていると、そこへ巨人の小林がやってきて何やら楽しそうに話し込んでいた。
さらに、元カープの丸も三塁側ベンチ前に足を運び、カープの赤松外野守備走塁コーチをはじめ、古巣のチームメートに囲まれてニコニコ。
ほかにも似たような光景があちこちで見られて、これ以上覚えていられなかったほど。
今時はどのカードでも両チームの選手やコーチが試合前、挨拶程度の雑談に興じている姿は珍しくない。
これも時代の流れだから批判してもしょうがないんだけれど、ただ、昔とは随分雰囲気が変わったなあ、とは思います。
僕がプロ野球記者になった1988年は中日の星野監督が就任2年目で、「球場では相手チームの選手と口を利くな」と厳命していた(と、言われた選手が教えてくれました)。
カープでは1990年から山本監督が就任し、大下ヘッドコーチ、水谷打撃コーチら強面の首脳陣が試合前から選手の態度に目を光らせていたものです。
そんなカープの雰囲気が変わってきたのは、前田健太(現MLBツインズ)がエースになった2010年ごろからかな。
とくに本拠地マツダスタジアムでの試合前、マエケンが巨人の選手と話し込む姿が目につき、まだ現役だった横山(現投手コーチ)、投手コーチだった大野さんに「ああいうのはどうかと思う」と眉をひそめさせていた(という話は拙著『すごい!広島カープ』にも書きました)。
しかし、試合になったら敵同士、というのは今も昔も変わらない。
きょうは巨人が1点ビハインドで迎えた九回2死無走者から秋広が四球、中田が逆転2ランをかっ飛ばして巨人がサヨナラ勝ち。
カープのクローザー・栗林はさすがに勤続疲労が溜まっているのかな。
新井監督はまだ守護神としての信頼感は変わらないと強調していますが…。