今を時めく世界各国のスター女優が一堂に会した豪華キャストのスパイ・アクション映画。
言い出しっぺは主演とプロデューサーを兼ねるジェシカ・チャスティンで、007シリーズやミッション・インポッシブルシリーズの女性版を製作したい、と監督のサイモン・キンバーグに提案したのが、そもそものきっかけだったという。
観る前は『オーシャンズ8』(2018年)のようなコメディタッチの映画を想像していたのだが、チャスティンをはじめ、女優陣はみなさん大真面目。
ただ、その割には吹き出したくなるような設定やご都合主義も目立つ。
開巻、コロンビアの麻薬王のドラ息子が、どんなに堅固なセキュリティーシステムにも侵入できるデバイスを開発し、密林の中の邸宅から遠隔操作で輸送機を爆破、墜落させてしまう。
その直後、この冗談みたいな〝最終兵器〟を買いに来た悪党が、いきなり麻薬王もドラ息子も撃ち殺し、デバイスを強奪。
という大量の死者が出るオープニングからして、あまりに荒唐無稽なものだから、てっきりお笑いテイストの濃厚な映画だと思ったんですけどね。
このデバイスを奪取しようと、アメリカCIAのチャスティン(アメリカ)、イギリスMI6のルピタ・ニョンゴ(メキシコ)、ドイツBND(連邦情報局)のダイアン・クルーガー(ドイツ)、コロンビアDNI(国家情報局)のペネロペ・クルス(スペイン)、中国MINISTRY(国家安全部)のファン・ビンビン(中国)と、各国のエージェントに扮した国際色豊かな女優陣がチームを組み、世界中を飛び回る。
監督のサイモン・キンバーグはX-MENシリーズの製作や監督を手がけた人物で、アクション場面の演出では手際の良さを発揮。
とくにモロッコのマーケットでデバイスの運び屋を追うチャスティンたちが、周辺をガードしている殺し屋を次々に人知れず片付け、まんまとデバイスを掠め取るくだりが面白い。
しかし、チャスティンが裏切りに遭い、追われる立場になってからは、いかにもありがちなご都合主義や説明不足の連続で、緊張感が持続しない。
で、このまま、めでたし、めでたしモードかな、と思わせておいて、クライマックスの間際に突然深刻な場面を挟むなど、真面目にやってるのか、ふざけて作ってるのか、どっちなんだとツッコミを入れたくなる。
それでも、2時間しっかり楽しめるレベルをキープしているのは確か。
エンディングで匂わされている続編を観に行く気になるかどうかは何とも言えませんが。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑