先月1日、そろそろ休もうかとウトウトしていた夜9時(トシですね)、突然WOWOWでの初放送が始まったので、慌てて録画したついでに最後まで観てしまった。
この映画、それほど面白く、興味深く、もちろん怖くて、年齢によって様々な見方ができる傑作だと思う。
今回、改めて身につまされたのは、デミアン・カラス神父(ジェイソン・ミラー)が年老いた母メアリー(バシリキ・マリアロス)を老人病院に入れて良心の呵責に苛まれるくだり。
悪霊パズズに取り憑かれたリーガン・マクニール(リンダ・ブレア)が、カラスがエクソシズム(悪魔祓い)を始める前、「なんで私をこんなところに入れたの?」と母親の声で責める場面がたまらない。
監督のウィリアム・フリードキンは本作を監督するに当たり、観客がどのような演出や描写に恐怖感や不快感を感じるか、徹底的にリサーチしたという。
撮影現場にライフル銃を持ち込み、何度も空砲をぶっ放して、俳優たちを震え上がらせながら演出していた、というのも映画ファンには有名な話。
リーガンの寝室のセットを巨大な冷蔵庫で囲んで徹底的に冷やし、ベッドに半裸のリンダを縛り付けて撮影して、「死ぬかと思った」とリンダ本人が劇場公開30周年DVD版の特典映像で証言している。
そうした演出によってただならぬ緊張感を醸し出している半面、よくある音楽やカットバックによる怖がらせ方をフリードキンは一切排除している。
しかし、このディレクターズカット版で追加された”スパイダーウォーク”だけは、いかにも安っぽいホラー映画のようで感心できなかった。
全体的な出来栄えとしては、122分の劇場公開版のほうが締まった印象を与えるという意味で、このディレクターズカット版より上だったように思う。
ところで、本作撮影当時、カラス神父役のミラーは32歳、ランカスター・メリン神父役のマックス・フォン・シドーは47歳だが、当時も今もとてもそんなに若くは見えない。
どちらも実際の年齢より一回りは上のように感じちゃうのはA先生だけでしょうか。
オススメ度A。
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑