パリからスイスへ向かっていたヨーロピアン航空24便、最新型機のアトリアン800がアルプス山中に墜落し、乗客300人、乗務員16人が犠牲となる。
墜落現場から発見されたブラックボックスのボイスレコーダーには、イスラム過激派のテロリストと見られる男の声が録音されていたことから、航空事故調査局はいったん自爆テロと結論づけた。
しかし、調査局内部で一際自己主張の強い性格で知られる音声分析官マチュー・バスール(ピエール・ニネ)は、独自調査でボイスレコーダーに改竄された痕跡があることを突き止める。
そして、事故現場へ行ったはずの上司ヴィクトル・ポロック(オリヴィエ・ラブルダン)が謎の失踪を遂げたため、マチューが継続調査を担当することになった。
やがて、アトリアン社と、マチューの友人グザヴィエ・ルノー(セバスチャン・パードルー)が経営するペガサス・セキュリティー会社が改竄に関与している疑いが浮上。
しかも、アトリアン社の社員で、近々重要ポストへの昇進が内定しているマチューの妻ノエミ(ルー・ドゥ・ラージュ)も何らかの秘密を握っているらしい。
前半の見どころは、真相究明のためなら、妻をはじめ、同僚、上司、友人と周囲の全員を敵に回すことも厭わないマチューの偏執的な調査活動。
失踪したポロックの家に忍び込んだり、妻が寝ている間に彼女のパソコンからデータを盗み取ったり、どこでバレてやり込められることになるんだろう、と観ていてヒヤヒヤさせられる。
ニネはマチューのパラノイアぶりをなかなか巧みに表現していて、ひょっとしたらすべてはマチューの妄想ではないか、と思わせるヤン・ゴズランの演出もなかなかうまい。
ただ、クライマックスの謎解きには納得できない部分もあり、カタルシスを感じさせるところまでいっていないのは残念でした。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑