『警部』(WOWOW)😉

Flic ou voyou
108分 1979年 フランス
日本公開:1980年 日本再公開:2020年 配給:エデン

2020年から新宿武蔵館など単館系劇場で始まった〈ジャン=ポール・ベルモンド傑作選〉第1弾の一本。
原題は「刑事かヤクザか」という意味で、途中までベルモンドの正体がどちらかわからないことを示しているが、邦題は最初から「警部」だけなのでネタバレもいいところである。

とはいえ、アクション・コメディとしてはいま観ても十分に楽しめる出来映え。
ベルモンドが悪漢を素っ裸にして公衆電話ボックスに置き去りにしたり、敵を追うために路上講習用の車を奪ったら助手席の指導教官が冷静な口調で交通違反を指摘したり、ベルモンドの映画らしいお遊びが満載で大いに笑わせてくれる。

ベルモンドの映画だから衣装と車に対するこだわりも徹底していて、とにかくカッコイイ。
色を添える作家エドモント役のマリー・ラフォレも美しく、途中からストーリーに絡んでくる14歳の娘シャルロット役のジュリー・ジケルの可愛さも特筆もので、ベルモンドの敵となるアキレ・ヴォルフォニを演じるこの時代の名脇役クロード・ブロッセもさすがの存在感を発揮している。

監督のジョルジュ・ロートネルは名匠とまでは言えないものの、1970年代はアラン・ドロン主演のサスペンス・アクションも撮っていた娯楽の腕利き。
昔、広島のOS東劇で観たドロンの『チェイサー』(1977年)、パンフレットだけ持っている『愛人関係』(1974年)も観てみたくなりました。

オススメ度B。

A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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