22日に沖縄から帰京すると、50代最後の日だった23日は原稿を書いて散髪。
60代の初日、つまり誕生日だった24日はその原稿を書き終え、編集さんに送ってからマッサージへ。
仕事が立て込んでいるせいか、まだ自分が還暦を迎えたという実感が湧きません。
いや、強がりではなく。
ちなみに、きのう脱稿したのは、いま話題沸騰中のWBC関連特集記事。
来月9日、WBC開幕当日発売の雑誌に掲載される予定なので、その節はまたこのホームページ、及びSNSでお知らせします。
さて、なぜキャンプ疲れした老体に鞭打ち、この原稿をきのうまでに書き上げなければならなかったかと言うと、きょう25日もまたWBC関連の取材が入っていたから。
東京都府中市の府中市民球場で行われたWBCオーストラリア代表と日本のクラブチームの練習試合です。
府中市は2018年、21年開催となった東京オリンピックに備え、オーストラリア野球連盟と事前キャンプに関する覚書を締結。
今回もオーストラリア代表がWBC東京ラウンドに向けて強化合宿を始めており、きょう地元の名門チーム・全府中野球倶楽部、全国的強豪・全足利クラブとダブルヘッダーで1試合7回制の練習試合を行いました。
しかし、WBCに出場するほどのチームと日本のクラブチームとでは、いくら何でも実力格差があり過ぎる。
いくら7回制とはいえ、「20−0ぐらいの一方的な展開になったら練習にも何にもならないし、みっともないじゃないですか」と、全府中の関係者も全足利担当の新聞記者も、試合前までは半ば本気で心配していたほど。
ところが、フタを開けてみれば、オーストラリア代表は第1試合から全足利を相手に四苦八苦。
4回までに一発攻勢で3点をリードしながら、3番手以降の投手が四球、失策、暴投を繰り返し、ついには逆転サヨナラ負けである。
これなら、元ロッテ・永野将司投手、元日本ハム・樋口龍之介内野手など、元プロ野球選手をそろえた全府中ならオーストラリア相手に連勝も可能ではないか、というほのかな期待が湧いた。
実際、第2試合に先発したオーストラリアの投手ルーク・ウィルキンスは初回に3安打、3暴投、1四球でいきなり3点を献上し、全府中は3回までに6点をリード。
よし、この調子なら楽勝ペースだ、と思わせた矢先の4回、全府中の2番手・篁将希が1イニング6失点であっという間に同点。
5回にも3番手・岩上朋樹がオーストラリアに3点を許して逆転され、6階から2イニング登板したリリーフエース永野もピリッとしない。
永野は30歳を前に「広場恐怖症」によってロッテを戦力外となり、クラブチーム全府中で再起を図っている。
僕は永野の歩んだ野球人生を昨年、現代ビジネスで書かせてもらっただけに、久しぶりに彼が地元・府中のファンの前で好投する姿を見たかった。
しかし、クラブチームはオープン戦が始まったばかりのこの時期、気温が10℃を切り、強風が吹きつける最中では満足な投球ができるはずもなく、永野は5安打3四球4失点。
試合も13-8でオーストラリアが勝ったけれど、両チームのコンディションと格の違いを考えたら、これはむしろ順当な結果というものでしょう。
当の永野は試合後、「プロでもこの時期にこんなコンディションで投げたことはなかったですから」と苦笑い。
一方、オーストラリア代表監督、デヴィッド・ニルソン監督も「こんなに寒い中で試合をしたのはいつ以来か、思い出せないほどだよ」と語っている。
なお、ニルソン監督は2000年、「ディンゴ」の登録名で中日でプレーし、その後も度々来日している親日家。
予選ラウンドの日本戦では何かやってくれるのではないか、と僕は秘かに期待しています。
それはそれとして、7回制の練習試合にもかかわらず、試合時間が長いのは困ったものです。
10時開始の第1試合が2時間40分、午後1時32分開始の第2試合が3時間超!
寒い中、こんなミスだらけのロングゲームをやったんじゃ、全府中を応援しに来た地元ファンが試合終了前にゾロゾロ帰って行ったのも仕方がない。
野球の時短、ホンマにどげんかせんといかん!