優勝を目指す日本ハム、練習試合の見どころはコレでした⚾

日本ハム・清宮の第1打席はピッチャーゴロ

先日、広島カープのキャンプが行われているコザしんきんスタジアムのスタンドで、私、A先生が格別お世話になっている球界OBの方がこう仰っていました。
「中日と日本ハムの両チームには申し訳ないが、今年は両リーグの最下位だけはいまから予想できるわい」と。

実際、開幕前の順位予想では、中日と日本ハムを最下位にする評論家が多いでしょうね。
僕自身、中日のほうはある程度取材しているから、そりゃそうだろうなぁ、とは思う。

が、新庄監督就任以来、ほとんど取材現場を訪ねる機会のなかった日本ハムはどうなのか。
本当にそんなに弱くて、明るい材料はこれっぽっちもないのか、と思いながら、きょう北谷で行われた中日との練習試合を観戦しました。

最初に目を引かれたのは、高校時代からプロ入り後まで追っかけていた清宮。
新庄監督のダイエット指令以来ほっそりしたスタイルはしっかりキープしていて、フリー打撃を見ていても、バットに乗せて外野へ運ぶ技術は相変わらず上手い。

しかし、ゲームでは初回2死三塁で投ゴロ、4回先頭で一度しかバットを振らずに見逃し三振、6回もやはり先頭で一度もバットを振らずに四球。
第3打席では2球目を見逃してストライクと判定されると、審判を振り返って不服そうな表情を浮かべていた。

よく言えば選球眼がいいんだけれど、それ以前に何かを起こしそうだという雰囲気に乏しい。
左投手の砂田(DeNAから京田との交換トレードで移籍)が出てきた7回には、二刀流で評判の矢澤に交代させられてしまった。

新庄監督は昨オフから「優勝が目標」と公言しており、もう清宮を我慢して使う気はないのかもしれませんね。
試合では序盤から積極的にエンドランやスチールを仕掛け、2番・奈良間に送りバントのサインを出すなど、とにかく点をもぎ取ろうという采配が目立った。

昨季の首位打者・松本剛が2安打し、浅間、伏見、野村にも一発が飛び出して大量9得点。
投手陣では鈴木、河野、福田、井口が無失点リレーを見せて、こういう形ができれば去年よりは勝てるかな、と思わせました。

担架で運び出される五十幡

一方では不安材料もあり、3回にはセンターの五十幡が中日・龍空のフライを捕球した際、フェンスに激突して立ち上がれなくなり、担架退場となっている。
五十幡は昨年4月、腰椎間板ヘルニアの摘出手術を受け、シーズン終盤の9月に復帰したばかりだっただけに、大事に至らなければいいのですが。

中日・ブライトの第1打席はセカンドフライ

中日では、きのう読谷の阪神二軍戦で2本塁打をかっ飛ばしたブライトが、この一軍の練習試合で1番・センターでスタメン出場。
立浪監督の期待の大きさを感じさせる抜擢だったが、結果は4打数ノーヒット。

守備では日本ハム・野村の打球を好捕するファインプレーを見せたものの、総じてきのうに比べると元気がなかった。
もしかしたら、まだメンタルに問題があるのかな。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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