「アレからやろ。監督が試合中に選手を引き揚げさせたら、監督は即退場いう規定ができたんは」
昨年の夏、阪神監督復帰の直前、雑誌の取材で会った岡田彰布氏は、懐かしそうに笑いながら振り返った。
ここで言う「アレ」とは優勝のことではない。
18年前の2005年9月7日のナゴヤドーム、優勝争いをしていた中日戦で、激高した岡田監督が選手全員をグラウンドからベンチに戻し、一時放棄試合も辞さない姿勢を見せた事件のことだ。
「アレは首位攻防の天王山第2戦や。
前日に第1戦負けて、あの日も負けたら(2位中日との)差が1ゲーム(に縮まり)、勝てば3ゲームに開く。
だから絶対に負けられんぞと、俺だけやなしに、コーチも選手もそういう状況で挑んでた」
そう語った岡田監督の怒りに火を点けたのは…。
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