ジャン=ポール・ベルモンドが亡くなる1年前、誰が企画したものかは知らないが、2020年からテアトルシネマ・グループでベルモンドの傑作選上映が始まった。
なかなか好評らしく、現在第3弾まで続いており、第2弾の1本として2021年に新宿武蔵野館などで上映されたのがこの作品。
フランス最大手の鉄鋼会社と新聞社を経営する財界の大物ユーゴ・コルデルが、飛行機の墜落事故によって急逝。
長らくユーゴと不仲だったとことから遠ざけられていた長男バート(ベルモンド)が、ニューヨークから相続人として帰国する。
莫大な財産を受け継いだ御曹司だけに、帰国便の機内からマスコミや怪しげな人間が群がって、ファーストクラスで迫ってきた色気たっぷりのコールガール・ローレン(モーリーン・カーウィン)に麻薬密輸の濡れ衣を着せられそうになる。
この危機を切り抜けると、父の死に不審なものを嗅ぎ取ったバートは、コルデル・グループの新聞社を動かして墜落事故の背後に潜む大がかりな陰謀を追求していく。
ベルモンドの右腕となる親友ダヴィッドに1970年代フランス映画界の名脇役だったシャルル・デネ、バートに口説かれる新聞社のマネージャー・リザにオカルト映画『レディ・イポリタの恋人 夢魔』(1974年)のカルラ・グラヴィーナなど、俳優陣には昔懐かしい顔ぶれがいっぱい。
ただし、当時の娯楽の職人監督フィリップ・ラブロの演出はいま観ると切れ味に乏しく、エンディングのインパクトもいまひとつでした。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑