島本理生が第159回直木賞を受賞し、ベストセラーとなった同名小説が原作で、この映画化作品も劇場公開時には大ヒットした。
民放テレビ局のアナウンサー試験に落ちた女子大生・聖山環菜(芳根京子)が画家の父・那雄人(板尾創路)を包丁で刺し殺し、主人公の臨床心理士・真壁由紀(北川景子)が動機を探ることになる。
環菜は警察の取調に対して犯行自体は認めたものの、動機については自分でもわからないため、「そちらで探してください」と証言。
拘置所で環菜と面会した由紀は、父親殺しの動機が幼少期に受けた虐待にあり、記憶の底に沈んでいるトラウマと引き摺り出されるのが恐ろしくて、心に蓋をしているのではないかと考える。
しかし、その由紀も、環菜の弁護士・庵野迦葉(中村倫也)との間に振り返りたくない過去を抱えていた。
迦葉は由紀の夫・我聞(窪塚洋介)の弟で、彼の力を借りて調査を進めるうち、由紀自身もまた自分のトラウマに向き合わなければならなくなる。
原作のおかげなのか、シナリオが非常に緻密に組み立てられており、主要キャストの北川、中村が好演で、とくに難しい役どころを巧みに演じた芳根の熱演が光る。
脇に回った窪塚も意外にいい味を出していて、作品全体に癒しを与える役割をしっかり務めていることには、正直驚きました。
ただ、結末の落としどころに納得できるかどうかには個人差があるでしょうね。
直木賞受賞作の原作を変更するわけにはいかなかったのかもしれないけど。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑