ポスターのキャッチコピーにあるように、〝ミステリーの女王〟アガサ・クリスティーが1949年に発表し、『無実はさいなむ』(1954年)とともに「最も満足している」と語っていた同名小説が原作である。
無一文から巨万の富を築いたロンドンの大富豪アリスタイド・レオニデスが注射で毒殺される事件が起こり、私立探偵チャールズ・ヘイワード(マックス・アイアンズ)が元カノの孫娘ソフィア(ステファニー・マティーニ)に捜査を依頼される。
チャールズが渋々ながらタイトルの「ねじれた家」に乗り込むと、同居している家族はいずれも一癖も二癖もありそうなアクの強いタイプばかり。
死別したレオニデス夫人の姉エディス・デ・ハヴィランド(グレン・クローズ)、元ダンサーでレオニデスの若い後妻ブレンダ(クリスティーナ・ヘンドリックス)、そのブレンダと不倫の関係にあるらしい家庭教師ローレンス・ブラウン(ジョン・へファーマン)、ポーカーで作った借金をレオニデスに肩代わりしてもらった長男フィリップ(ジュリアン・サンズ)、フィリップの妻・ソフィアの母でレオニデスに資金援助を頼んでいた舞台女優マグダ(ジリアン・アンダーソン)、レオニデスのケータリング会社の経営を任されながら失敗してしまった次男ロジャー(クリスチャン・マッケイ)などなど。
小説ならそうした登場人物の面倒臭い性格とややこしい関係性をじっくり読み込めるのだが、映画で観ると簡単には呑み込めない部分も少なくなく、何度か録画を停めては戻して確認する必要があった。
しかし、真犯人が判明するクライマックスと容赦ない幕切れは非常にショッキングで、近ごろのミステリー映画では屈指の見応えでした。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑