W杯日本vsクロアチア戦、負けても視聴率は高かった⚽📺

日本の惜敗を伝えるきょう(7日付)の東スポ1面

W杯期間中、尊敬する某テレビ局関係者の先輩は毎日夜遅くから朝早くまで(普通は朝早くから夜遅くだけど今回は逆)働いていらっしゃいます。
その先輩から、昨夜フジテレビで生中継された日本vsクロアチア戦の視聴率についての情報が届きました(数字はすべてビデオリサーチ調べによる関東地区の平均世帯視聴率)。

●当初のレギュラー枠(PM11:40〜AM2:10)
平均 34.6%
瞬間最高 38.3%(AM1:48、1:51)

●延長戦&PK戦(AM2:10〜3:00)
平均 30.5%
瞬間最高 37.6%(AM2:12)

先輩によると、キックオフのAM0:00にいきなり30%を超え、そこからジリジリ上昇して30%台後半をキープ。
ハーフタイムでいったん35%くらいに落としたものの、その後も試合終了近辺のAM2:41まで35〜37%推移している。

先輩曰く「コスタリカ戦(11月27日PM7:00〜、テレビ朝日)の平均42.9%は無理にしても、平均22.4%だったスペイン戦(2日AM4:00〜)よりは浅い(早い)時間だったので、もう一超え欲しかった」。
深夜0時台に30%を超えても、まだ満足できる数字ではなかったそうです。

そこで気になるのが、このテーマでいつも指摘しているインターネット・テレビ局 Abema TVの全試合無料生中継による影響。
先輩によると、昨夜はキックオフから53分経過した頃(細かい!)、「Abemaのサーバーが供給過多でダウンしたらしい」という情報が飛び交い、Abemaの視聴者が地上波テレビに流れてくるのでは? と期待したそうです。

が、毎分視聴率を見る限り、そのような動きはなく、先輩曰く「そもそも、本当にダウンしたんだか…」。
そこで、僕から先輩に質問。

僕「今回はFIFAの放映権料が高騰したため、大手テレビ局側がAbemaに中継するよう働きかけた、と一部で報じられていますよね。
だから両者はむしろ協力関係にあるのかと思っていたのですが、実情はどうなんでしょうか?」

先輩「今回のW杯の中継権は350億円と言われていて、メチャクチャ高騰する中、日テレとTBSが下りた。
テレ東は元々、加わる気はなかったみたいだね」

僕「となると、NHK、テレ朝、フジテレビだけではとても中継権を支払えない、と?」

先輩「そうそう。で、3社があれこれ模索している時、Abemaを運営するサイバーエージェント側の思惑と一致して、一部を負担してもらった、と言われている。
その額が、一説には200億円。

中継権を得るためには協力関係を結んだものの、視聴率という点ではやはりライバル。
しかし、今やそんな旧来の狭い了見ではやっていけないくらい、中継権は高騰している。

次回のW杯はどのような放送形態になるか?
事としだいによっては、来年のWBCにも大きな影響が出るかも…」

大変勉強になりました。
それはそれとして、森保ジャパンのみなさん、歴史的ご健闘、本当にお疲れ様でした!

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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