『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』(WOWOW)😉

Scream4
111分 2011年 アメリカ=ディメンション・フィルムズ R15+
日本配給:アスミック・エース

このシリーズは1996年の第1作をWOWOWで見てハマり、翌97年の第2作、2000年の第3作(一応完結編だった)まで、ほとんどオンタイムで見ている。
A先生にとって、96~97年は球団広報部による出入り禁止に遭いながら巨人の取材を続けていたころで、00年は晴れて取材を解禁され、大手をふるって長嶋さんの話を聞いていた時代。

そんな仕事の合間、時々はこんな映画を見て憂さを晴らすこともあったんだよなあ、ト、ついシミジミ感慨に耽ってしまう思い出深いシリーズなのです。
基本的にはホラー映画なんだけれど、映画マニア、とくにホラーオタク向けの楽屋落ちコメディとして楽しめるようなツッコミどころが満載。

ゴーストフェイスのサバイバルナイフによるスタブ(刺殺)は今回もただナイフグサグサ、血糊ドバドバの繰り返しばかりでまったく芸がない。
主要キャラクター3人シドニー・プレスコット(ネーヴ・キャンベル)、デューイ・ライリー(デヴィッド・アークエット)、ゲイル・ライリー(コートニー・コックス)だけは何度刺されても急所が外れてそのたびに生き延びる、というご都合主義もお約束通り。

さらに、血みどろの死体が量産される合間、例によって延々とホラー映画に関するウンチクが続く。
これもこのシリーズ定番のおかずであり、カレーライスの福神漬け。

ふざけているのかと思ったら結構マジになったり、何だ、マジなのかと思った途端にまたおふざけが入ったりと、緩急の呼吸、メリハリの利いたリズムとテンポが絶妙の一語。
しかも、舞台が田舎町(カリフォルニア州ウッズボロー)の高校という設定で、そこはかなとなく古臭い青春ドラマの味付けがしてあるのがいい。

こういう映画はストーリーやオチがどうこうより、最初から最後まで観客をノセられる独自のテイストを維持できるかどうかがキモであります。
前作から11年もたっているので、そのテイストが変わっていやしないかという不安もあったんですが、さすがウェス・クレイヴン、今回も得心のゆく仕上がりでした。

しかし、〝不死身のヒロイン〟シドニーをはじめ、デューイもゲイルもトシとったね。
昔はみんなして〝熱血高校生探偵団〟をやっていた連中もいまやみんな中年にさしかかり、くたびれ感を漂わせる30代。

また殺しかよ、かなわんなあ、と思いながら連続殺人事件の犯人を追ううち、次第に〝青春〟し始めるあたり、結構共感できる半面、身につまされもする。
とくにかつての売れっ子リポーター時代を思い出して俄然血眼になるゲイルに対し、亭主のデューイがげんなりした顔を見せるところが面白い。

あ、このシリーズ初めての方は第1作から見てください。
第4作だけ見てもこの面白さはわかりません。

お勧め度はBとしておきます。

旧サイト:2012年09月23日(日)付Pick-up記事を再録、修正

A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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