「どうしたんですか? 何かあるんですか?」
日南の秋季キャンプで広島・新井新監督に挨拶したら、キョトンとした表情をされた。
新井さんの指導ぶりを見るためだと言うと、「ハハハ」と照れ臭そうに笑っていたところがこの人らしい。
その新井監督、今キャンプでは、野間、遠藤、ケムナなど、若手たちに自ら積極的に声をかけている。
中でも、新任で弟の良太打撃コーチとともに、熱心に直接指導していたのが堂林である。
かつては甲子園のアイドルとして人気を博し、2009年ドラフト2位で入団したプリンスも、13年目で31歳。
毎年のようにレギュラー定着を期待されながら、いまだ「未完の大器」のままだ。
そんな堂林について、新井監督は以前からこう話している。
「昔の僕にそっくりですよ。
若いころの自分と完璧にかぶってます」
そう言う自分が監督に就任した今度こそ、堂林にはレギュラーの座を勝ち取ってほしいはずだ。
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