ニュージーランド南端の田舎町に暮らす63歳のバイカー、バート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)が一念発起、家と土地を抵当に入れ、なけなしの金を持ってアメリカのスピードコンテストに挑む。
資金を節約するため、無給でコックをすることを条件に輸送船に乗せてもらい、愛車のオートバイ、1920年型インディアン・スカウトとともに地球の裏側のアメリカへ。
旅行計画も宿泊先の予約も何もしていない行き当たりばったりの旅で、当然行く手に様々な苦難とトラブルが待ち構えているのかと思ったら、意地悪なのはロスで最初に乗ったタクシー運転手ぐらい。
モーテルのオカマの受付嬢ティナ(クリス・ウィリアムズ)、中古車ディーラーのフェルナンド(ポール・ロドリゲス)、砂漠の一軒家に泊めてくれる寡婦エイダ(ダイアン・ラッド)などなど、マンローが出会う相手は誰も彼もイイ人ばかり。
ところが、いざコンテスト会場に到着すると、マンローが事前登録をしていなかった上、持ち込んだインディアン・スカウトが古過ぎてレギュレーションを満たしていないことが発覚。
60歳を過ぎて、借金までして、単身地球の裏側までやってきたのに、生涯最大の目標だったレースに参加できないのかと、マンローは途方に暮れてしまう。
マンローは実在の人物で、実際に63歳で1000cc以下のバイクの世界最速記録に何度も挑んでいる。
その実話がベースになっているが、映画としての飛躍や脚色が多過ぎ、いささか型通りのスポーツ・ヒューマンドラマになっている感は否めない。
しかし、マンロー役のホプキンスがエネルギッシュな好演を見せ、最後までしっかり楽しませ、感動させてくれる。
サスペンスやディザスター映画で知られているロジャー・ドナルドソン監督としてもベストの一編だろう。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑