ポン・ジュノが監督を務めた同名映画のテレビドラマ版で、映画版には及ばないものの、こちらもなかなか頑張っている。
やはり、何と言っても、氷の惑星と化した地球上を永遠に走り続けるエターナル・エンジンを搭載した列車(タイトルのスノーピアサー)、という原作グラフィックノベルの舞台設定が秀逸だからでしょうね。
スノーピアサーは映画版と同様、大金持ちの乗る1等から、乗客の階級によって2等、3等の客車に分かれており、最後尾にテイリー(尻尾人)と呼ばれる貧しい人たちが押し込められているという完璧な格差社会。
テイリーたちが反乱軍を組織して革命を起こし、列車を開発したウィルフォード産業のトップと軍隊を壊滅させ、乗客が平等に暮らせる社会を目指している、という基本的な構図も変わっていない。
ただし、ストーリーはまったくのオリジナル。
3等車で男性が両手両足と性器を切り取られるという殺人事件が発生し、客室乗務員のリーダー、メアリー・カヴィル(ジェニファー・コネリー)が、テイリーの元刑事アンドレ・レイトン(ダヴィード・ディグス)に調査を依頼する。
そのレイトンは最後尾に今カノのジョージー・ウェルステッド(ケイティ・マクギネス)
、3等車に元妻のゼラ・フェラーミ(シェイラ・ヴァンド)がいて、私生活はなかなか複雑。
一方、メアリーの周囲には、部下ルース・ウォーデル(アリソン・ライト)、警備部隊のベス・ティル(ミッキー・サムナー)、ベスの恋人で1等車の調理人ジンジュ・ソン(スーザン・パーク)など、一癖も二癖もある女傑キャラがいっぱい。
前半はレイトンが彼女たちに囲まれて右往左往している印象が強く、いささかじれったい。
しかも、調査の最中にスノーピアサーの重大な秘密を知ってしまい、メアリーの差し金によってドロワーという人工冬眠ボックスに収容されてしまう。
しかし、ここからレイトンが元妻や今カノのバックアップを得て反撃を開始。
メアリーをトップとする現体制、新たに列車を支配しようとする富裕層と軍隊、などとくんずほぐれつの肉弾戦を繰り広げ、敵と味方が目まぐるしく入れ替わる後半の7話以降は最終話まで一気見してしまった。
ただ、こういう盛り上げ方は、昔の地上波テレビの連ドラと違い、いかにも今時の配信ドラマならではのあざといやり口だな、と思わないでもない。
まあ、面白ければいいんだけどね。
オススメ度B。
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑