〝元祖ハードボイルド〟ハンフリー・ボガートと〝元祖ギャングスター〟エドワード・G・ロビンソンの共演作と言えば、すぐにジョン・ヒューストン監督の不朽の名作『キー・ラーゴ』(1948年)が思い浮かぶ。
しかし、その10年前、本作が制作された1938年はロビンソンのほうが格上で、ボギーはまだ『化石の森』(1936年)でやっと注目されるようになったばかりの悪役専門俳優に過ぎなかった。
ロビンソン演じる主人公クリッターハウス博士は表向きの職業は開業医、実は犯罪心理学者としての研究材料を収集するため、自ら宝石泥棒をしているという裏の顔を持つ。
という設定からして非常にトンデモな映画で、クリッター博士は患者の宝石を盗んだあと、研究を深めるために女親分ジョー・ケラー(クレア・トレヴァー)率いる強奪品の故買屋一味に接触。
この一味で一番腕利きの宝石泥棒がボギー扮するロックス・ヴァレンタイン。
クリッター博士とは最初から馬が合わず、何かと角突き合っているのでクライマックスではさぞかし凄絶な対決を見せてくれるのかと思ったんだけどねえ。
原作者が皮肉を効かせたつもりらしいオチの付け方はまったくの腰砕け。
僕のようにボギーやロビンソンに興味を持つオールドファン以外には退屈かも。
オススメ度C。
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨 D=ヒマだったら😑