そして野球はいつも通り行われました⚾️

巨人の試合前練習

きょう、東京ドームでは巨人ーDeNA戦が始まる前、午後5時3分に亡くなった安倍元首相を悼んで黙祷が行われました。
セ・リーグでは通常、カードの初戦に国歌斉唱の時間が設けられているが、今回は黙祷がその代わりとなった。

謹んでご冥福をお祈りします。
天寿をまっとうしたわけではないのだから、ご冥福という言葉は適切ではないかもしれないけれど。

それにしても最近はろくなことがない、と感じている人は僕だけではないだろう。
ロシアとウクライナの戦争が泥沼化し、その影響で諸物価が次々に値上がりして、まさかと思うような著名人の自死や不慮の死が相次ぎ、季節外れの猛暑で電力不足が心配され、いったん収まりかけたかに思われたコロナ禍も第7波への突入が懸念されている中、我が国の宰相だった人物が凶弾に斃れた。

正直なところ、気が塞ぐ。
東京ドームへ向かっている時も、トボトボと歩いている最中、ついうつむきがちになってしまう。

しかし、こんな時だからこそ、いつも通り行われる野球のありがたみを感じる。
そして、野球を見て物を書くという仕事をしていてよかった、としみじみ思った、というのもまた、一フリーライターの偽らざる本音です。

そこにグラウンドがある、野球をやっている選手がいる、選手がボールを投げ、そのボールを打ち返す音が聞こえてくる。
日本で暮らす人の全員がそうだとは思わないけれど、「そこに野球がある」ことを生きていく励みにしている人は多いと思う。

僕も、そんなどこにでもいる野球好きのオッサンのひとりです。
きょうは、そういういつもは当たり前になってしまい、ふだんまったく意識していないことがいかに大事か、改めてつくづく感じさせられました。

DeNAの打撃練習中、ソトを指導する石井野手総合コーチ

試合前は例によって、巨人、DeNAの関係者の方々にご挨拶。
すっかり元気になった石井琢朗野手総合コーチは、こちらににっこり笑って見せたあと、森やソトを熱心に指導していました。

記者席では、コロナ禍のおかげでご無沙汰していた東スポ評論家兼ボーイズリーグ都筑中央ボーイズ代表・前田幸長さんと野球談義。
久しぶりに会った拙著の愛読者の方に、おやつの差し入れをいただいたのもうれしかったですね。

おれ、仕事場がこういう雰囲気でなかったら、いまよりもっと老け込んでいただろうなあ。
いや、いまでも、実年齢も見た目も若くはありませんが。

野球をはじめとして、スポーツは見る人を元気にする。
こういう時こそ、元気を与えるのがスポーツの役割でもある。

そんなことを考えながら見ていた試合は、個人的に今季最長となった延長十二回、4時間ゲームの末に3-3で引き分け。
試合内容にはいただけないところも多々あったけれど、きょうだけは最後までどちらも粘り強く戦っていた、と言っておきましょう。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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