『トップガン マーヴェリック』😊

Top Gun: Maverick
131分 アメリカ=パラマウント・ピクチャーズ 日本配給:東和ピクチャーズ
@109シネマズ木場 スクリーン2(IMAX2D) 15:45〜

最近、これほど人から「観ろ観ろ」「絶対に観ろ!」と勧められた映画もほかにない。
とくに熱心だったのは小守スポーツマッサージ療院の担当トレーナーSさんである。

先週の土曜、施術を受けている最中、「あんなに面白い映画はありませんよ、赤坂さんも必ず満足しますよ、ただ何にも考えずに観ればすっごい楽しめる映画なんですから」と、しゃべることしゃべること。
Sさんによれば、元プロ野球選手の某有名テレビタレントも「メチャクチャ感動した!」とワイドショーで語っていて、MCや他のコメンテーターに「観てないの? なんで?」なんてノリで勧めていたそうです。

「でもねえ、36年ぶりの続編だろ? そんな昔のブランドを引っ張り出した映画ってのは大抵つまんないんだよ、『ターミネーター』しかり、『スターウォーズ』も例外じゃない。
大体、第1作の『トップガン』も、観ることは観たけど、それほど面白いとは思わなかったしなあ」

などと僕が言っても、Sさんは怯まないどころか、かえって前のめりになり、「いやいや、『トップガン』の新作はそんなことありません! 第1作を観ていなくても全然、大丈夫ですから!」。
Sさんのお世話になって10年以上たつが、彼が専門とするスポーツの話題ならともかく、映画についてこれほど熱く語っていたのは初めてで、正直、ちょっとびっくりした。

で、いま劇場で観るなら是枝裕和監督の最新作、ソン・ガンホ主演の『ベイビー・ブローカー』だろうなと考えていたところ、急遽『トップガン マーヴェリック』に方針変更。
念のために内容をすっかり忘れていた1986年の第1作も Amazon Prime Video で再見し、新宿や池袋の映画館が平日にもかかわらず混んでいたので、木場の109シネマズに足を運んできました。

そうしたら、メトロ東西線で木場に向かっている最中、向かいの席でオジサンが広げている日経新聞に「『トップガン』興収10億ドル突破 世界中で今年最高」という見出しがあってまたびっくり。
あのいかにもアメリカ的なヒロイズムとミリタリズムとラブストーリーをブレンドした保守層の若者ウケする見本のような映画の続編が、いま世界中でそんなにお客さんを集めているのか。

と、少々首をひねりながら観たんですけど、確かに面白かったです、はい。
オープニングとエンディングのクレジットとテーマ曲を前作と同じスタイルにしてオールドファンの琴線を刺激し、前作のライバルや事故死した親友の息子を登場させてシンミリさせる。

そして、クライマックスは36年前より格段にスケールアップした爆撃作戦とドッグファイトのつるべ打ち!
ここまでやってくれたら、アメリカ海軍の言う「ならず者国家」ってどこなんだよ、トム・クルーズはどこの国に攻め込んだんだよ、これって他国に対するテロ攻撃じゃないの? と常識的なツッコミを入れる気も無くしてしまうでしょうな、ほとんどの映画ファンは。

面白いことは面白い、本当に。
ただ、僕自身の受け止め方としては、いまのご時世、こういう映画をノーテンキに楽しんでるだけじゃいかんよな、という留保もしておきたい。

採点は85点です。

2022劇場公開映画鑑賞リスト
※50点=落胆😞 60点=退屈🥱 70点=納得☺️ 80点=満足😊 90点=興奮🤩(お勧めポイント+5点)

5『シン・ウルトラマン』(2022年/東宝)80点
4『英雄の証明』(2021年/伊、仏)80点
3『THE BATMAN−ザ・バットマン−』(2022年/米)80点
2『ドライブ・マイ・カー』(2021年/ビターズ・エンド)90点
1『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021年/米)90点

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スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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