ファン注目の初対決! という組み合わせはえてして一方的な展開になり、凡戦に終わってしまうことが多い。
きょうの東京ドームでの巨人-ロッテ戦、〝令和の怪物〟佐々木朗希対ジャイアンツ打線も、残念ながらその例に漏れませんでした
個人的に、現在発売中のNumber 朗希特集号に2本の記事を寄稿していることもあって、彼の投球を現場で見られるのはとても楽しみだった。
観戦にやってきた巨人終身名誉監督・長嶋さんも、佐々木朗と握手を交わしてツーショット撮影に応じ、「私が見てきた80年の中で、今は佐々木くんがナンバーワン」とコメント。
巨人がそんな破格の歓迎ぶりを示せば、この日の観衆は4万392人と、コロナ前並のファンが押し寄せた。
比べては申し訳ないけれど、ヤクルト戦やオリックス戦が2万人台だったことを思えば、今の集客力も「ナンバーワン」と言っていい。
しかし、投球内容は立ち上がりから芳しくなかった。
初回早々、1死無走者からウォーカーにレフト線へ打たれた二塁打は、外角を狙った158㎞の真っ直ぐがシュート回転して真ん中に入ったところを捉えられている。
Numberのインタビュー記事で佐々木本人と捕手の松川が明かしているように、右打者のアウトコースへの投球はもともと大きな課題のひとつ。
高校時代から調子が悪いとヒジが下がってシュート回転するクセがある上、アウトコースにはインコースにおける打者の身体のような目標物がないため、コントロールするのが難しいらしい。
二回には先頭のポランコにフォークをライトフェンス直撃の三塁打とされ、続く増田陸に161㎞の直球をセンターの頭を超える適時二塁打にされて先制点を献上。
直球のコントロールがままならず、この回から増やしたフォークも狙い打たれて、なかなか修正できそうな気配が見えない。
実際、三回のウォーカーの中前安打、佐々木朗プロ初の被本塁打となった岡本和の右中間スタンド中段への一発は、いずれもフォークを狙い打たれたもの。
ウォーカーが1個、吉川尚が2個盗塁を決めているあたりにも、巨人が佐々木朗のクセや弱点を研究していたことがうかがえる。
結局、きょうの佐々木朗は5回89球を投げて1本塁打を含む7安打5失点(自責4)と、今季初の敗戦、かつ最悪の結果に終わった。
まあ、いくら怪物級の投手とはいえ、高卒3年目なのだから、修正すべき欠点や課題がいくつもあるのは当然といえば当然。
一方、そんな〝令和の怪物〟を打ち崩した巨人打線はお見事。
161㎞直球を弾き返して先制点を挙げた増田陸は、「いいピッチャーなんで真っ直ぐに振り負けないようにコンパクトに打ちました」とコメント。
満面の笑みで「球が速いんで、(バットを)短く持って、強い球に負けないように打ちました」と、佐々木朗攻略の一端を明かしていました。
佐々木朗はきょう、そういう食らいついてくる巨人打線に宿題をもらったわけだから、ぜひとも今後に生かしてほしいところです。