久しぶりの東京ドームでの巨人戦取材、当初の目的は先発投手の新外国人マット・シューメーカーを見ることにあった。
以前もBlogやWorksで書いたように、開幕直前、Sports Graphic Number 1048 大谷特集号(3月31日発売)の仕事でインタビューし、ざっくばらんにいろいろ面白い話をしてくれて、好印象を抱いたからです。
しかし、肝心の彼が投げる試合は、僕が観に行くといつも勝ち星がつかない。
シューメーカーの来日初登板だった4月9日のヤクルト戦(東京ドーム)は、自らのけん制悪送球で同点に追いつかれ、自ら勝ち星を帳消しに。
登板2試合目、初勝利を挙げた同月23日の中日戦(バンテリンドーム)は七回2死までパーフェクトという快投だったが、現場に行っていない。
その次のヤクルト戦(東京ドーム)は村上に満塁本塁打を浴びて大炎上し、あえなく2敗目。
きょうの中日戦は勝ってくれるんじゃないかな、と期待したんだけれど、5回4失点でリードされたまま降板し、勝ち投手の権利を得られなかった。
しかも、初回の失点は9日のヤクルト戦と同様、またしても自らのけん制悪送球がからんでいる。
七回に中田翔の逆転満塁ホームランが飛び出して負け投手にこそならなかったものの、初登板の失敗が生かされていないフィールディングのミスは、桑田投手チーフコーチが最も嫌う落ち度のひとつ。
次回の先発はあるかな、あってもまた打たれたら一回ローテを飛ばされて再調整かな、なんて、これだけシューメーカーにこだわって巨人戦を取材しているライターなんてA先生ぐらいでしょうね。
それはそれとして、きょうの試合、ポイントとなるドラマは中日のほうにあったように思う。
中日が5−0とリードして迎えた六回、それまで2安打無失点と好投していた先発・髙橋宏斗が3打席連続で長短打を浴び、1点を返されてなお無死二・三塁のピンチ。
ここで立浪監督自らマウンドに向かい、六回を最後まで投げ切るよう19歳の髙橋宏にハッパをかけたが、2死を取ってから廣岡に押し出し四球を与えたために交代を決断。
七回から祖父江で逃げ切りを図ったところ、中田翔にまさかのグランドスラムを打たれて痛恨の逆転負けである。
結果的に、自らの投手起用が裏目に出た立浪監督は、中田を評して「打ったほうが立派」と潔く脱帽。
明日の雪辱に期待しましょう。