今季初めて取材した「伝統の一戦」は前半好試合、後半ボロ試合(巨人サイドから見た場合)⚾️

試合前に行われた巨人・菅野、通算1500投球回達成の表彰式

大型連休2日目のきょう、今季初めて東京ドームの巨人-阪神戦を取材に行ってきました。
昨年4月22日に「伝統の一戦」を観戦したときはプライベートで、ネット裏のチケットを購入したから、仕事として記者席で見たのはコロナ前以来、3年ぶりになる。

昨年、宜野座キャンプで川相昌弘氏(現巨人ファーム総監督)が阪神の臨時コーチを務めた際、お世話になったトラ番記者と再会し、しばし雑談。
週末の阪神戦とあり、入場者数の上限が撤廃されたスタンドは4万人を超える大観衆で埋まった。

4万24人の観衆の前で力投する巨人・シューメーカー(打者は阪神・近本)

一番の目当ては巨人の先発投手、今季4試合目のマウンドに上がった新外国人マット・シューメーカー。
メジャーリーグでは2014年の1シーズンだけ、エンゼルスで大谷翔平とチームメートになり、ともに先発の一角を担ってキャリアハイの16勝をマークした。

大谷とはプライベートでも親交があり、よく一緒に食事をした間柄で、昨年のシーズンオフ、巨人との契約が決まると、さっそく大谷に電話して日本野球についてのアドバイスを求めた。
という話を、開幕前にシューメーカー本人から聞き、Sports Graphic Numberの大谷特集号に寄稿したので、どんなピッチングをするか気になるのですよ。

そのシューメーカー、きょうは6回103球を投げて4安打2失点(自責1)と内容的には及第点。
二回には無死一・三塁のチャンスでカウント1-2からスクイズバントを決めて2点目を挙げ、打点1も記録している。

四回無死一・三塁から捕手・大城卓三の二塁悪送球で三塁走者・近本光司に生還されるも、ここから佐藤輝明、大山悠輔、糸井嘉男の3、4、5番を3者連続三振に打ち取った投球は圧巻でした。
しかし、六回に佐藤輝に同点タイムリーを許し、その裏に代打・若林晃弘を送られ、惜しくも来日2つ目の勝ち星はつかず。

シューメーカーは降板後、ベンチで隣に座った桑田真澄投手チーフコーチに対し、あちこち指差しながら何やらまくし立てているようだったけれど、不満やアクシデントでもあったのかな?
とまれ、内容的には悪くないので、次回登板の捲土重来を期待しています。

試合はその後、七回からリリーフした今村信貴、畠世周が、この回だけで押し出し2個を含む計6四球と大炎上し、一挙6失点で勝負あった。
終わってみれば3-10と、どっちが首位かわからないほどの大差で巨人が完敗。

桑田コーチはかねてから、リリーフ陣の四球を減らすことを大きな課題に挙げている。
が、この日の試合を見た限りでは、解消されるどころかかえって悪化していると言わざるを得ません。

しかし、その桑田コーチ、前半の好試合がなぜ後半はボロ試合になったのかについて、原因、課題、改善策を実にわかりやすく、理路整然と説明してくれました。
平成初期はこんな惨敗のあとともなると、「ストライクが入らないんだから話にならん」とか「フォアボール、フォアボール、ガツーンじゃなあ」などと、吐き捨てるように選手をけなすコーチも多かったけれど、桑田コーチはそんなことはない。

なぜ今村が四球を連発したのか、その今村をなぜあえて引っ張ったのか、理由と意図を明かした上で、どのように立て直していくべきか、大変明快に解説している。
桑田コーチが常に投手を「投げさせた」ではなく、「投げてもらった」と表現する細かな気遣いも、こちらの耳から頭にスンナリと入ってくる一因でしょうね。

打撃練習を終えてベンチに帰る巨人・ウォーカー

ところで、試合前に気になったのが、やはり新外国人のアダム・ウォーカーが練習中に着ていたTシャツ。
胸の「LEFT TURNS ONLY」(右折禁止)ってどういう意味なんだろう???

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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