巨人-中日、白熱の好ゲームはファンのおかげ👏⚾️

個人的注目の初対決、巨人・赤星vs中日・石川昂、第1打席の結果はセンター前ヒット

開幕3試合目に取材したカードは東京ドームの巨人-中日戦だった。
ここはフィールドが狭く、記者席が三塁側スタンドの中にあるため、入場者数の上限が撤廃されたスタンドの熱気が大変身近に感じられた。

試合前、スタメン発表でこの日から復帰した坂本の名前がアナウンスされた途端、たちまち大歓声と大拍手。
初回、先頭の吉川尚が右翼フェンス直撃の三塁打、続く2番の坂本が今季初打席で左翼線への二塁打を打ってさっそく先制すると、さらにファンの盛り上がりに拍車がかかった。

ここから岡本和、中田の2者連続ホームランで畳みかけ、この回一挙4点のビッグイニングに。
この日、久しぶりに東京ドームに足を運んだ巨人ファンにとっては、初回だけで入場料の元は獲れたようなものだっただろう。

巨人のオーダーを見れば明らかな通り、ここには勝ち方を知っている選手がそろっており、相手の中日、きのうまでに取材したDeNAや広島に比べると、ある意味、ずっと〝大人のチーム〟だと言える。
コロナ前のようにお客さんがいっぱい入り、かつての熱気を浴びながらプレーできることで、さぞかしモチベーションも高かったに違いない。

とりわけ、坂本が七回に4安打して代走を出され、ベンチに帰っていく彼の頭上に盛大な拍手が浴びせられた光景はとても感動的だった。
プロ初登板初先発のドラフト3位ルーキー・赤星優志も六回まで5安打1失点と、頼りがいのある先輩たちにもらったリードを守り切る力投を披露。

一方、中日の先発投手・柳が二回以降は立ち直り、無駄な失点を重ねなかったこともあり、九回に中日が同点に追いつき、延長戦に突入する大接戦となった。
このとき、レフトスタンドに陣取った中日応援団の拍手と太鼓も大変な凄まじさ。

そのおかげかどうか、きょうは中日が延長十回に逆転勝ちして、立浪監督が記念すべき監督初白星を挙げた。
きょうのような雰囲気の中で取材していると、プレーするのはあくまでも選手だけれど、白熱した好ゲームを演出するのはファンでもある、ということをつくづく実感させられる。

九回には巨人・デラロサ、廣岡、中日・木下拓の凡ミスもあったが、そういうのもプロの試合ならではの緊迫感が生んだ見せ場ということにしておこう。
しかし、試合時間はおとといが3時間31分、きのうが3時間5分、きょうが開幕カード取材3試合目で4時間超え。

これは決していい傾向ではない。
NPBのみなさんには、改めて試合のスピードアップをお願いします。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
先頭に戻る