『グリーンランド−地球最後の2日間−』(WOWOW)😉

Greenland
119分 2020年 アメリカ=STXフィルムズ 日本公開:2021年 配給:ポニーキャニオン

巨大彗星が次々に地球に降り注ぎ、人類が絶滅の危機に追い込まれる中、何とか生き延びようと悪戦苦闘する平凡な家族の姿を描いたディザスタームービー。
古くはジョージ・パル製作の『地球最後の日』(1951年)に始まり、最近では『ディープ・インパクト』(1998年)のような同工異曲の作品まで、飽き飽きするほど何度となく観てきた設定なので、いささか退屈するのではないかと思ったら、意外にもなかなか健闘している。

成功した最大の要因は、ストーリーの焦点を建築設計技士ジョン・ギャリティ(ジェラルド・バトラー)、妻アリソン(モリーナ・バッカリン)、一人息子ネイサン(ロジャー・デール・フロイド)の3人家族に絞ったこと。
ギャリティ一家は大統領アラートという秘密の選別システムによってシェルターに入れることになったが、現地へ運んでもらう輸送機に乗り込もうとした寸前、空港に群衆が押し寄せて飛行機が次々に爆発してしまう。

大混乱の中で家族3人がバラバラになり、ジョン、アリソン、ネイサンとそれぞれが危機に陥って、果たしてこの家族はまた無事に再会できるのかどうかと手に汗握らないではいられない。
CGによる隕石の落下場面はそれほど多くなく、善意を示してくれる医者や兵士との対話、暴徒と化した人間たちとのトラブルなどを中心に据えた構成が迫力とリアリティを高めている。

ジェラルド・バトラーがこれまでのようなアクションヒーローではなく、人間的な弱さを感じさせる平凡な夫(父親)を演じてなかなかの好演。
こういう好人物の出てくる映画だから、バッドエンドにはならないだろう、と予想できてしまうのがちょっと難ですけどね。

オススメ度B。

ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2022リスト
A=ぜひ!🤗 B=よかったら😉 C=気になったら🤨  D=ヒマだったら😑
※再見、及び旧サイトからの再録

17『潔白』(2020年/韓)B
16『ズーム/見えない参加者』(2020年/英)C
15『アオラレ』(2020年/米)B
14『21ブリッジ』(2019年/米)B
13『ムニュランガボ』(2007年/盧、米)C
12『ミナリ』(2020年/米)A
11『バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら』(2021年/東宝映像事業部)C
10『死霊の罠』(1988年/ジョイパックフィルム)C
9『劇場版 奥様は、取扱注意』(2021年/東宝)C
8『VHSテープを巻き戻せ!』(2013年/米)A
7『キャノンフィルムズ爆走風雲録』(2014年/以)B
6『ある人質 生還までの398日』(2019年/丁、瑞、諾)A
5『1917 命をかけた伝令』(2020年/英、米)A
4『最後の決闘裁判』(2021年/英、米)B
3『そして誰もいなくなった』(2015年/英)A
2『食われる家族』(2020年/韓)C
1『藁にもすがる獣たち』(2020年/韓)B

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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