沖縄キャンプ取材、最終日は2年ぶりの広島カープ⚾️

午前10時前、ウォーミングアップの最中にドラフト6位新人・末包がファーストで特守

沖縄キャンプ取材最終日のきょう、やっと広島カープのキャンプを見に行くことができました。
昨年はコロナ禍による取材制限、一軍を沖縄に1カ月固定する変則日程などによって訪ねることができず、今年も宮崎では仕事の都合で日南まで行けなかったため、実に2年ぶりの取材となった。

いきなりこちらの目を引いたのは、朝10時前のウォーミングアップの最中、ドラフト6位新人・末包昇大(大阪ガス)がファーストで早出特守を行っていたこと。
本職は外野手なので、この時期から社会人ルーキーをコンバートするとは考えにくいから、打撃力を生かすために一塁も守れるようにしておきたいのでしょう、たぶん。

末包の後ろから助言を送る東出野手総合コーチ

とはいえ、そこはカープのやることだから、決しておざなりな練習はさせません。
練習中は今年から就任した小窪哲也内野守備走塁コーチがノッカーを務め、背後から今年一軍復帰した東出輝裕野手総合コーチがじっと見守り、練習後にはふたりが末包を挟んで実演を交えながらさらに細かい指導を行っていました。

ブルペンに行くと、背番号24を背負ったドラフト1位新人・黒原拓未(関西学院大)が、身長173㎝と小柄ながらも全身を使ったダイナミックなフォームで82球を投げ込んでいる。
その横ではドラフト5位の松山竜也(智弁学園)も力のある球をほうっていた。

注目していたドラフト2位の森翔平(三菱重工West)は残念ながらピッチングはお休みでしたが、安定感とまとまりのよさを佐々岡監督に買われていて、すでに先発ローテの候補に入っているそうです。
あとはエースの大瀬良大地をはじめ、九里亜蓮、森下暢仁らがしっかり働いてくれれば、とりあえず先発に関しては心配ない、かな。

カープ名物のローテーション打撃練習

午後からはカープの名物メニューとも言える野手のローテーション練習。
野手を4人ずつのグループに分け、ティー打撃、ロングティー、フリー打撃、2度にわたる走塁練習というメニューを順繰りに回していく。

この練習が始まる間際、河田雄祐ヘッド兼外野守備走塁コーチがグラウンドからネット裏の僕を見つけるや、律儀に帽子を取り、大声でもって「大変ご無沙汰してます! 今年もよろしくお願いします!」。
そう挨拶されたらこっちも帽子を取り、同じくらいの大声で「こちらこそご無沙汰してます! よろしくお願いします!」と言わないわけにはいかない。

僕に気がついた東出コーチや周囲の選手にも会釈をされましたが、若い選手のほとんどは僕が誰だか知らないはず。
ちょっと恥ずかしかったなぁ。

今年の中村奨成はスイングも顔つきも鋭くなった

その打撃練習で、一際目立っていたのが5年目・中村奨成の元気のよさ。
ロングティーで鋭い打球を連発し、声もよく出ていて、まだ一軍半クラスながら、だいぶ逞しくなった印象を受けました。

居残り守備練習で倉バッテリーコーチの指導を受ける

全体練習が終わったあとには、一塁側ファウルグラウンドで、みっちりと倉義和バッテリーコーチの個人指導を受けていた。
打撃マシンの捕球に始まって、倉コーチの投げる球を素手でキャッチ、ワンバウンド捕球、さらに走者一塁を想定して投球を後ろに逸らさない練習と、非常に中身の濃いメニュー。

今年は基本的に外野で一軍定着を目指すようですが、本職の捕手としての育成もなおざりにしていないところがやはりカープらしい。
その中村奨成に佐々岡真司監督も一定の評価を与えていて…という話は、機会があったら近いうちに仕事で書きます。

それでは、さようなら沖縄!
お世話になった各球団、及びマスコミ関係者みなさん、ありがとうございました!

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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