主人公の建築設計技師カン・ソジン(キム・ムヨル)は、妻スジョンをひき逃げで亡くしてから心を病み、しばらく同い年の精神科医の元に通院中。
事故当時の記憶を掘り起こす催眠療法は負担が大きいため、医師は投薬治療を勧めるが、そうすると肝心のことが思い出せなくなる、とソジンは思い込んでいる。
そこへ児童保護施設の人間だと名乗る男から電話がかかってきて、1996年に行方不明になっていたあなたの妹ユジン(ソン・ジヒョ)が発見されたと告げる。
ポスターのデザインからもわかる通り、最初から怪しさフンプンで登場するこの女が妹ではないことは明らかで、あとは彼女がいつ正体を現し、何が目的なのかが興味の焦点となる。
ソン・ジヒョはなかなか巧みな悪女演技を見せており、ソジンの一人娘イェナ(パク・ミンハ)を手懐けていく不気味な過程もサスペンスを盛り上げる。
また、年老いた祖父母がユジンにたらし込まれ、実の息子であるソジンの言うことを聞かなくなってしまう、というじれったさを刺激する展開もよくできている。
ただし、ネタバレしてしまうのが結構早く、ユジンの背後関係も何度か繰り返されたパターンで、どこかで観たような既視感がつきまとうことも否めない。
この種の〝家族乗っ取り〟スリラーとしては水準点に達しているとは思いますが。
オススメ度C。
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※再見、及び旧サイトからの再録
1『藁にもすがる獣たち』(2020年/韓)B