「ありゃ? 赤坂くんがおるじゃない」⚾️

東京ドーム関係者入口のトーナメント表

きょうもきのうに続き、東京ドームで第92回都市対抗野球大会の取材でした。
しかも、一日で3試合すべてをカバーするという高校野球の甲子園大会並の強行軍。

なぜそこまで取材するのかというと、全試合でドラフト指名された選手がプレーしているためです。
第1試合のセガサミー(東京都)にはオリックス6位の横山楓(23=投手)、第2試合のJR東日本(東京都)には巨人2位の山田龍聖(21=投手)、第3試合の四国銀行(高知市)には日本ハム3位の水野達稀(21=内野手、JR四国の補強選手)が出場。

プロ入りが決まっている選手の試合には、各球団のスカウトが激励を兼ねて視察に訪れるのが慣例。
今年優勝を逃した巨人は即戦力と当て込んでいる山田の状態がよっぽど気になるらしく、原監督、水野スカウト部長もやってきて、放送席から試合を見守っていました。

そうした仕事上の興味以外に、個人的にチェックしておきたかったポイントもある。
そのひとつが、昨年からセガサミーの監督に就任した元広島カープ・西田真二さんの采配ぶり。

セガサミー・西田監督(JSPORTS中継より)

現役時代は天才肌のバッターで、非常に勝負強かった半面、奇矯な言動で周囲を笑わせたり、びっくりさせたり。
東京ドームでの巨人戦では、山本浩二監督が審判に長い長い猛抗議を続けている最中、ライトの外野で寝そべり、グラブを顔にかぶせて居眠り(のポーズ?)をしていたこともあった(巨人の私設応援団の真下ですよ)。

引退後は独立リーグの監督として辣腕をふるい、四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズでは7回のリーグ年間優勝、13回の半期優勝を達成している(四国は前後期制)。
昨年からセガサミーの監督に就任し、ここでも昨年の第91回都市対抗でベスト4と、独立リーグではいまや名将の域に到達していると言っても過言ではない。

きょうの北海道ガス(札幌市)戦では送りバントにエンドラン、代打に代走と打つ手打つ手が次々にハマり、終わってみれば10-1の大勝。
八回にもう1点取り、10点差をつけたら、今大会初のコールド勝ちする寸前だったほど。

そんな一方的な展開だった試合の九回、西田監督はオリックス6位の横山に1イニングだけの登板を指示。
試合後の勝利監督インタビューで、「最後に横山をみなさんにお披露目できてよかったです!」と胸を張った。

続いてZoomでのリモート取材に臨んだ西田監督は、ゲームの流れを作ったポイントや采配の意図を詳しく解説し、今年から復活した応援の効果も大きかったことを強調。
その合間、パソコンの画面に僕の顔を見つけると、「ありゃ? 赤坂くんがおるじゃない」。

うれしいですね、こういう一言。
西田監督、初戦突破、おめでとうございます!

なお、第3試合ではわが郷土・広島県から、3年ぶり10回目の出場を果たした伯和ビクトリーズ(東広島市)が四国銀行と対戦。
四国銀行のほうには水野のようにプロ入りする補強選手がいるから苦戦するかと思ったら、打線が6点を挙げて大勝しました。

スポーツライター。 1986年、日刊現代に入社。88年から運動部記者を務める。2002年に単行本デビュー作『バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語』(講談社)を上梓。06年に独立。『失われた甲子園』(講談社)新潮ドキュメント賞ノミネート。東スポ毎週火曜『赤ペン!!』連載中。 東京運動記者クラブ会員。日本文藝家協会会員。
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